あれから1年以上経った。
支払いは滞り、事業規模を縮小した為、生命線である女性キャストは3人。ドライバーは2人まで減少した。
挙げ句の果てにはフロントスタッフである後輩は半年程で逃げてしまったし、アルバイトには辞めてもらった。
夜勤と昼勤のローテーションで仕事をしていたが、人を雇う余裕が無いので1人で11時〜26時まで通しで毎日休みなく働き続けた。
この頃の記憶は正直薄い。
辛すぎたんだろうな。
25歳にしてストレスと疲れで頭がハゲてしまって、体重もこの1年で65kgから55kgくらいまで減った。
ただ、こんな地獄でも支えてくれた友人がいる。
その友人は今でも良き友人であり、良きビジネスパートナーだ。
その友人は高校の時に出会ったのだが、私がこの先も出会う事が出来ないと断言できる程の奇跡的な人間だ。
友人と言えど他人の私の窮地を、自分の事の様に考えてくれて口だけではなく実際に動いてくれた。
とにかく、お金がなかったのでその友人に支払いやこの先の相談をしたところ、事業計画書や再生への計画書等、エビデンス資料を一緒に作成してエンジェル投資家に出資を持ちかけてくれたのだ。
まあ、現実は甘くなく完全に傾いたウチの状況を見て出資などしてくれるはずもなく、融資という形であれば金を出すという事になった。
しかし、枯れていた田畑に恵の雨が降る様に、一時的に支払いを正常化させたり、新たな設備投資などが出来る様になった。
助かった。とにかく助かった。
家賃も滞納していたのであと少しでジ・エンドだった。
今思えば、この事が友人共々人生の下り坂を転げ落ちる瞬間だったのかも知れない。