<X線CTの原理(続き)>
[スキャン方式][X線検出器][画像再構成法]については、
X線CTの原理をご覧下さい。
今回はその続きです。
機構部分のマニアックで古い話ですので、
興味のある方のみご覧下さい。
第4世代は1断面のスキャン時間は1秒以下と
高速スキャンが可能なものです。
この第4世代はX線検出器は全周に固定で配置され、
X線管のみが連続して回転する方式ですので、
高圧トランスからスリップリングを介してケーブルから
X線管(X-ray tube)に高電圧を供給しています(Fig.3)。
このため、X線管に接続されるケーブルの
特別なケーブル処理機構は不要となっています。
(出典:「ヘリカルCTのハードウェア」東木裕介著1993.12)
一方、第4世代の一つ前の第3世代(ファンビーム)は
X線管とX線検出器が対向した状態を
保ったまま回転する方式であるため、
第4世代のように一方向に連続回転すると、
高圧トランスからX線管に接続している
ケーブルが絡まってしまいます。
このため、X線管とX線検出器を正転と逆転を繰り返し、
ケーブルが絡まないようにケーブル処理機構が
必要となっています。
(私はこの機構の開発に参加させていただきました。)
まずは遊星歯車機構を用いたケーブル処理機構(第1図参照)です。
特開昭59-214434号公報(CTスキャナのケーブル案内装置)
詳しくは公報に記載されていますが、ざっと説明しますと、
X線管4はスタート位置から一方向に約360度回転した後、
逆方向に約360度回転して1つの撮影が終わります。
遊星ドラム9の遊星歯車10が太陽ドラム5の太陽歯車7と
支持ドラム6の内歯車8に噛み合っています。
太陽ドラム5の回転すると、これに伴って
遊星ドラム9が自転しながら公転し、
X線管4に接続しているケーブル11が
遊星ドラム9に巻き付きながら
遊星ドラム9と同じ動きをして移動します。
遊星歯車機構は、製造コストがアップすることと、
歯車の振動がX線検出器に悪影響を及ぼすことが
欠点となっていました。
そこで、遊星歯車機構に代わる
板バネを用いた機構が開発されました。
詳しくは公報に記載されていますが、ざっと説明しますと、
この板バネを用いた機構は、第2図から第4図に示すように、
板バネでケーブルを押さえ、板バネが遊星歯車のような
動きをするものです。
特開昭62-14836号公報(CTスキャナのケーブル類の処理装置)
ケーブルが板バネと同じ動きをするので、
遊星歯車機構が不要になっています。
なかなかのアイデアと思いませんか?
この第3世代は世代交代で
この世から消えている
と思うと悲しいですが、
何かに応用できると嬉しく思います。
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