公開特許公報からその企業の未来が見えてくる | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

公開特許公報からその企業の未来が見えてきます。

特許出願をしますと、出願日から1年6ヶ月後に公開特許公報が特許庁から発行されます。

この公開特許公報の内容を読むことにより、その企業が将来どういう方向に進もうとしているかが分かります。

公開特許公報は、以下のように構成されています。
①書誌事項
 出願日、公開日、発明の名称、出願人、発明者、代理人などの書誌事項が書かれた部分
②本体部分
 特許請求の範囲(特許を要求する範囲)、発明の詳細な説明(具体的な実施例)が書かれた部分
③付属部分
 要約書(発明の概要)、図面(材料の発明などはない場合もある)







出典:知財総合窓口パテント・エントランス熊本
(サンプルは書誌事項の部分が特許公報になっていますが、これは権利化されたときに発行されるものですね。)


この公開特許公報が発行された段階では、まだ権利化される前ですので、特許請求の範囲に記載された内容でそのまま権利化される訳ではありません。権利化されると、公報が発行されますが、このときは特許公報の名前で発行されます。
 
本体部分には、複数の発明が書かれており、その発明の大きさも大きいものから小さいものまで含まれています。発明の大きさというのは、権利範囲の意味です。

ビジネスを開始する前に特許出願しますが、ビジネスの内容が出願当初から変化してくることがあります。その変化したビジネスを保護できるように特許請求の範囲の方を補正して権利化します。これについては、別の機会に詳しく紹介します。


特許請求の範囲は難しい言葉で書かれていますので、読みにくいですよね。プロでも読みにくいんですよ(笑)。

プロは難しく書かれた特許請求の範囲をどのように読んでいるでしょう?
人それぞれだと思います。

私の方法を一つ紹介しますと、
(1)要約書を読んで、何のために何をしたかを理解します。
(2)特許請求の範囲の用語に対応して使われている実施例の用語(特許請求の範囲の用語と異なることがある)に付けられている符号(符号の説明の欄を利用するとよい)を特許請求の範囲に書き込みます。
(3)符号が付けられた特許請求の範囲を図面を見ながら読みます。
発明の内容によっては他の方法で読むこともあります。


気になる企業がありましたら、その企業が出願した公開特許公報を読んでみましょう! 

公報の検索は、特許情報プラットホームから出願人に企業名を入力することにより検索できます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage



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