弁理士という職業の面白い所は比較することにある | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

弁理士は、業務の中で比較することを必ずします。比較力が弁理士の実力を左右するといっても過言ではないでしょう。

弁理士の業務の代表的なものに以下のものがあります。
(1)出願業務
(2)中間処理
(3)鑑定業務


(1)出願業務
特許出願、実用新案登録出願、意匠出願、商標登録出願の際に、出願しようとしている内容と公開されている公報の内容とを比較します。

特許出願の場合は、出願しようとしている発明と調査した結果、発見された公報に記載されている発明とを比較し、両者の間に相違点があり、その相違点により進歩性が主張できそうであれば、出願することになります。

(2)中間処理
中間処理とは、出願後、登録前に特許庁からの拒絶理由通知書に対して応答する処理(意見書、手続補正書の提出)をいいます。

特許出願の場合は、特許出願の特許請求の範囲に記載されている発明と拒絶理由通知書で通知された引用文献に記載されている発明とを比較し、相違点があるかどうかを検討します。
相違点がなければ、相違点があるように特許請求の範囲の記載を補正します。

(3)鑑定業務
鑑定業務には、主に、製品が特許権を侵害しているかどうかを鑑定する侵害鑑定と、特許権に無効理由があるかどうかを鑑定する特許性鑑定があります。

侵害鑑定の場合は、製品を文章に表し、その文章化したものと特許権の特許請求の範囲に記載されている文章とを比較します。

有効性鑑定の場合は、中間処理と同様に、特許請求の範囲に記載されている発明と証拠となる公報等に記載されている発明とを比較します。


このように弁理士が比較を業務の中で行っていますが、面白い点は一見同じと思えても違っている点を発見したときでしょうか。 

例えば、両者ともLEDからの光を異なる方向に反射する反射面を持っているレンズとします。

しかし、一方は横方向と斜めした方向に反射しますが、斜め上方向に反射していない反射面でした。他方は横方向と斜め下方向、斜め上方向に反射する反射面です。

言葉で表現するとちょっとの違いですが、LEDとレンズを看板の照明に使う場合にLEDとレンズの数が他方のものは半分で済むというように効果が大きく違ってくる場合があります。このような場合は、発明は異なるものとなります。

以上、弁理士が日常的に比較を行っていることを説明しましたが、いかがでしたか?少しでも弁理士という職業に興味を持っていただけたら幸いです。



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