前々アカウントのブログの頃、急に更新されなくなったのでご心配をおかけし、プロデューサー氏が「畑澤病気療養中のため」みたいなコメントを代筆してくれた。ご心配コメントや応援コメントをけっこう頂き、本当に嬉しかったのと、何より番組を真剣に観てくれている人がこんなにいたんだ?というのが嬉しかった。

僕の病気は「拡張型心筋症」というもので、幼少時からあった症状が過労のため悪化した、という事だった。いわゆる心不全になって本当に何度か心臓が止まった(らしい)。

何日か意識不明で目が覚めると身体中にチューブがついてて「おわっ!改造手術される!脳改造前に脱出せねば!」と思ったものだ。

現在も完治する方法はなく、大量のクスリを服用して生き続けている。15年前、「10年後生存確率75%」と言われたから、35%を克服した、とは言える。

助監督に枕元にモニターを持ってきてもらって編集指示をしていた。

「こなし」仕事で「しょうがない」結果になってしまっているシーンが多くあり、その度後悔で胸(心臓)が痛かった。

1ケ月後ぐらいに光が丘公園の光のアーチの前のシーン等の撮りこぼしを撮り終え(今観直すとわずかな時間開いただけなのに葉月あいさんが「成長」しているのが分かる)、今でも「一番好きな作品」と言える「時空警察ヴェッカーシグナ」は完成した。

完成してから半年近く、メインキャストの皆さんとイベントなどでご一緒し、その後も冠婚葬祭(葬祭はまだない)のご連絡などもあり、親戚のおじさんのようなつき合いが10年以上続いた。渡洋史はもとより(笑)彩月貴央さんは3児の母(!)となった現在も親交が続いています。

 

彩月貴央さんのもう一度女優業を再開したいという意を汲み、ずっと企画しては消え、何度もプロットを書き直した「ヴェッカーシグナプラス」という作品の脚本を何度目かに書き直した。女性の10年は結婚・出産等で激動していく。そんな中でもずっと若い時に出来た本当の友達は旦那や子供よりもかけがえのない財産になっている…というテーマで「時間」を扱うからこそ経年するほど深みが増すテーマになる。

書き始めた頃からコロナの影が見え始め、もっと未来に研修に行く筈だった新たなシグナたち(キラリー・メイリ-もそのひとり)が、この時代に落とされる事で、この時代の人類の最大の敵に対して、(それを克服した先にいるはずの)時空刑事としての葛藤を描く内容になっていった。

15年前、その時代に残る選択をした夏沢るり香(彩月貴央)が居るからこそ、生まれた物語である。

コロナ禍でこの物語を示すことが不謹慎なのか?

 

今も僕には分からない。