プロ野球の12球団監督会議が19日、オンラインで開かれ、3年ぶりに延長12回制に戻すことなど今季のルールやリプレー検証、特例事項の変更点を確認しました。


公式戦は新型コロナ禍に見舞われた2020年は延長10回制で実施。昨年は同点でも9回終了で試合を打ち切り、引き分けはセ、パ両リーグ合計で19年の5倍近い102試合ありました。オンラインで記者会見した杵渕和秀セ・リーグ統括は「不測の事態が起きた時に話し合う余地を残しているが、延長12回を前提として確認した」とコメント。


リプレー検証は「確証のある映像がない場合は審判団の判断とする」の項目に、「確証がない映像」として「グラウンドの土などで、タッグ(タッチ)やベースへの走者の足の入りが確認できない」「プレーがその他のプレーヤー、または審判員でブラインドになっている」「映像自体がぶれている」との定義付けが追記されました。


コロナ感染者や濃厚接触者、感染疑いの選手が出た場合に出場選手登録の入れ替えを柔軟に行うために「特例2022」を設け、予告先発投手に感染の疑いが出た場合は代替選手を入れてベンチ入り26人で臨めることになりました。ワクチン接種の副反応による体調不良にも適用すると明記され、29人から31人へ拡大していた出場選手登録人数などが維持されます。


ヤクルトの高津監督は監督会議後に取材に応じ、今季のペナントレースで延長12回制が導入方針なことについて、投手陣に「強さ」を求めていくことを明かしました。

写真はスポニチより。


ヤクルト先発陣は昨季、小川と奥川がともにチームトップの9勝をマークしたものの、規定投球回到達者はなし。救援陣は今野が64試合、マクガフが66試合、清水が72試合に登板しました。「1イニングでも多く先発に投げてほしいと思いますし、やはりリリーフ勝負になったところで、12回まで投げ切れるリリーフ陣をつくっていかないといけない」と話し「具体的なことは言えないが、考えていることは2、3ある。12回まで戦う投手陣をキャンプからいろいろ考えていきたい」と思案しているそうです。


さらに野手陣に求めたのは「多様性」。9回打ち切りとは違い、代打や代走、守備固めで起用する場面や人選がより重要となります。「もしかしたら不慣れなポジションを守ってもらうこともあるかもしれないし、今までだったらこういう起用法をしていたというのが変わってくるかもしれない」と高津監督。「一番(重要なこと)は起用法になってくる」と思考を巡らせていました。


ヤクルトは延長なしの恩恵をかなり受けている印象もありました。特に投手陣は9回まで抑えればいいという方針だったので、出来るだけ連投はさせないようにしながら、思い切った選手起用も出来ました。結果として引き分けは増え、怪我人も少なかったです。高津監督にとって延長12回制は今季が初めてになりますよね。延長戦について「一番怖いのはコロナのルールに慣れてしまっている部分。日本シリーズ(第6戦)で1度、12回までやりましたけど、多少の違和感といいますか。12回を戦う作戦を考えなくてはいけないなと実感した」と改めて話していました。


今後の新型コロナウイルスの感染状況にもよりますが、延長12回に落ち着きそうですね。最終的には3月7日の実行委員会で決定するみたいです。やはり延長に入ってからの選手起用や駆け引きも野球の面白さの1つではあるので、個人的には大歓迎ですかね。とりあえず今季も普通にプロ野球が開幕することを願ってます。