守備の名手を表彰する「第50回三井ゴールデングラブ賞」の受賞者が2日に発表され、楽天の辰己涼介外野手(24)がパ・リーグの外野手部門で初受賞しました。楽天の外野手が受賞するのは初めて。


写真は日刊スポーツより。


辰己は「今回、目標の一つであったゴールデングラブ賞に選んでいただき、大変うれしく思います。いつも応援していただき、大きな力をくださるファンのみなさん、また、日々支えてくださる、監督、コーチ、球団スタッフのみなさんには感謝しかありません。来シーズンもみなさんの期待に応え、感動を与えられるようなプレーができるよう、精進していきたいと思います」とコメントしていました。


辰己は3年目の今季、自己最多の130試合に出場しており、守備率.993はリーグ4位。外野手としては杉本裕太郎(オリックス)とマーティン(ロッテ)に次ぐリーグ3位の8補殺を記録するなど、リーグ随一の俊足強肩の外野手として活躍しました。 一方で打撃は開幕戦で初回先頭打者本塁打を放っていますが、打率.225、10本塁打、32打点という成績。打撃の方でももう少し結果を残して欲しいですよね。




ヤクルトからは中村悠平捕手(31)が、自身2度目となるゴールデングラブ賞を受賞しました。球団の捕手で複数回の受賞は古田敦也の10度、大矢明彦の6度に次いで3人目。チームとして捕手部門での計18度受賞は両リーグ最多となります。

写真はサンスポより。


中村は今季、117試合に出場して守備率は.998、盗塁阻止率は.255。4.61だった昨季から3.48となったチーム防御率の大幅な改善にも大きく貢献。2月の春季キャンプでは古田臨時コーチから指導を受け、フレーミング(きわどいボールをストライクにする技術)にも磨きをかけました。


日本シリーズ全試合でマスクをかぶりMVPも獲得している中村は球団を通じ「ゴールデングラブ賞に選出していただきありがとうございます。私1人で取れた賞ではないと思いますし、投手、野手とが協力してくれて受賞できたと思いますので本当にうれしく思います。これからも頑張ります」とコメントしていました。


元日本ハムで野球解説者の岩本勉さんはラジオで、日本一に輝いたヤクルトとオリックスによる激闘の日本シリーズを振り返り「嶋の涙が最も印象的だった」と話していました。さらに「中村のMVPは嶋がいるから一線で目一杯戦えているという現実。(かつて)古田敦也さんがあれだけ頑張れたのはベンチにいた野口寿浩さんだったって(当時の)野村監督が言ってたよ。だから野口の給料上げてくれって言ったんだって。目一杯ブロックしたり、目一杯デッドボールを怖がらずに打席で踏み込めるのは控えのキャッチャーがしっかりしているから古田があれだけ活躍できるんだって野村監督が言ってましたよ」と監督としてヤクルトの黄金時代を築いた野村克也さんの言葉を使いつつ、その貢献度の大きさを力説していました。控えとして常にベンチに嶋がいたからこそ、中村が活躍できたんですよね。


2年契約を終えた嶋は2日に契約更改し、減額制限(1億円以下は25%)を超える50%減の2000万円でサイン。球団から正式に打診され、来季から選手兼任コーチ補佐の立場に就くことになります。「大変だとは思うんですけど、ぜひチャレンジしたいと思った。なかなかそういう仕事を頂けることはないこと。ぜひよろしくお願いしますと伝えさせて頂きました」と心境を明かしました。


今季一軍では17試合の出場でしたが、ベンチでは若手に助言し、最前列で声を出すなど、献身的な姿勢が目立っていました。球団側も嶋の実績や人間性も加味し、今回の打診に至ったそうです。「大変なのは承知してますが、やることで、ヤクルトの歴史が変わるかもしれない。選手も100、コーチも100で、50、50とかじゃなくて、両方、全力でぶつかっていきたい」と強い覚悟を示していました。中村とともに、ヤクルトの投手陣だけでなく、チーム全員を引っ張って欲しいですよね。