PGT-A 異数性が出やすくなる予想因子が4個 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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流産をして異数性の胚で次回はPGTAで正常胚を移植して流産を避けるという流れは通常の診療で非常に多く見られます。この際大切なのは次の採卵で正常胚がどの位できるのか、また異常胚ではとの不安が出ます。来月以降に掲載される論文では異数性が出やすくなる予想因子が4個あるとしており参考になるため紹介します。

過去に流産したことがありその原因が胚の染色体異常の場合異数性を高くする因子として4つの候補を挙げています。

①母親の年齢 オッズ比 1.31, 95% CI 1.24–1.39, P < 0.001)

②過去に流産(原因が胚の異数性)した回数 オッズ比 1.40, 95% CI 1.05–1.86, P<0.02)

③トリガー日のエストロゲン値 オッズ比 0.47, 95% CI 0.30–0.73, P < 0.001)

④胚盤胞形成率オッズ比 0.13, 95% CI0.03–0.50, P ¼ 0.003) 

 

つまり高齢場合、過去に異数性胚の流産回数が多い場合、切り替え時のエストロゲン値が低い、胚盤胞形成率が低い場合、これら4つが当てはまる場合には胚盤胞の異数性の確率が高くなると提言しています。

論文の結論は言うまでもないことだと思います。この結果をもとにどうしたら良いかですが、論文にも掲載されていますが、医師はこれら4つのケースに当てはまる場合には異数性の可能性が高まるのでより一層PGT-Aを提案すべきだと思います。

 

Received: May 3, 2023. Revised: September 12, 2023. . Editorial decision: September 21, 2023.

Predicting risk of blastocyst aneuploidy among women with previous aneuploid pregnancy loss: a multicenter-data-based multivariable model