サプリメント服用は妊娠までの期間を短縮させるか?今月号の論文から | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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現在様々なサプリメントが販売されています。妊娠に必要なのはどれなのかと不安に思う方が多くいると思います。特に葉酸やビタミンDは多数の根拠が出ており内服すべきと言えますが、それ以外のサプリはよくわからない、、となります。

この今月号の論文に掲載されている内容を読むとその答えが少し書かれており参考になるため共有します。

この論文はミオイノシトール、マルチビタミン、プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌など人の腸に存在する善玉菌)を飲んだ場合妊娠までの期間を比較しています。

具体的には以下のサプリを用いています。英文でそのまま抜粋。

myo-inositol (4 g/d; i.e., 2 g twice daily), vitamin D (10 mg/d), riboflavin (1.8 mg/d), vitamin B6 (2.6 mg/d), vitamin B12 (5.2 mg/d), zinc (10 mg/d) and probiotics (Lactobacillus rhamnosus NCC4007 [CGMCC 1.3724; LPR] and Bifidobacterium animalis sp. lactis NCC2818 [CNCM I-3446; Bl818])

 

以下結果ですが両群で特に差は認めていません。つまり関係ないとなります。

こちらのグラフはBMIで分けたものです。

過体重はBMI23-27.5

肥満はBMI >27.5 kg/m2

肥満や過体重の方がサプリを服用すると妊娠までの期間が短縮していいます。

 

肥満傾向のある方がこれらのサプリを服用することは妊娠までの期間を短縮することが示唆されました。ただ今後のさらなる検討が必要としています。

Fertility and Sterility® Vol. 119, No. 6, June 2023 

Time-to-conception and clinical pregnancy rate with a myo-inositol, probiotics, and micronutrient supplement: secondary outcomes of the NiPPeR randomized trial