原因がわからない反復して流産をするケースでその後に生まれるか、または結果が出ないかを見極めるためには夫婦の両方を考慮することが大切という論文です。
今月号のFertility and Sterility® に掲載されていました。
繰り返して流産となる場合先が見えず本当に辛いことです。
ついつい女性ばかり責められがちですがこの論文では男性にも焦点を当ててどこが悪いのか、夫婦がどうすれば結果を出せるのかを調べていてためになる論文です。
この下の表は結果です。
過去の流産回数、母親の年齢、父親の年齢、母親のBMI、父親のBMI、母親の喫煙、体外受精の治療歴が予後に影響を及ぼす因子となりました。
特に母親の年齢は大きく影響を及ぼしました。
この下のグラフは妊娠に影響を与えるかをみています。
過去の流産回数が多いと可能性は低下します。(右上)
母親の年齢が上がると妊娠の可能性は激減します。(中左)
父親の年齢も上がると妊娠の可能性は低くなります。(中右)
母親のBMIが高くなると妊娠の可能性は上がります(下左)
父親のBMIが高くなると妊娠の可能性は下がります(下右)
妊娠に影響を与える要因は母親の年齢、母親の喫煙、過去に体外受精をしているかが大きな要因であることがわかります。
この下の表は具体的なケースを示しています。
Aは過去に3回の流産歴あり、母親34歳、父親36歳
その後74%は妊娠の可能性がある
Bは6回の流産歴あり、母親40歳、父親36歳
その後50%は妊娠の可能性がある
Cは6回の流産歴あり、母親28歳、父親36歳
その後57%は妊娠の可能性あり
Dは6回の流産歴あり、体外受精の治療歴あり
母親40歳、喫煙している、父親45歳
その後26%の妊娠の可能性あり
この結果から言えることとして
この様な予測モデルは今後の予後を判断する上でとても参考になります。
そしてここまで苦戦していても児を授かることが高い確率でできることがわかることも良いことだと思います。
そして何より流産を繰り返さないためには夫婦ともに体重のコントロールをして禁煙をしていくことが必要だと言えるのだと思います。
女性側にだけ問題があるのではなく、男性の年齢やライフスタイルも妊孕性に大きく関係してくることを理解する必要があります。
Fertility and Sterility® Vol. 117, No. 1, January 2022
Toward more accurate prediction of future pregnancy outcome in couples with unexplained recurrent pregnancy loss: taking both partners into account