採卵の針の太さに関しての論文が3月号のFertility and Sterilityにありましたので紹介します。
16ゲージの針と17〜20ゲージの針で成績や痛みを比較しています。
成績は両群で差は認めていません。
痛みに関しては当然ですが細い針の方が痛みが少ない事がわかります。
採卵はとても痛い処置です。少しでも痛みが取れる様に工夫することは当然の事です。ただそれにより成績が下がってはいけないことも当然です。
痛みはないけど卵子が取れないとか、変性卵では本末転倒です。
今回の論文では針を細くしても成績は変わらず痛みも良くなり安心できる事がわかります。
当院では基本的には採卵は20ゲージを使用しています。痛みが強い方にはもう1段階細くして21ゲージを使用します。
なお変性卵や取れにくい場合には1段階太くして19ゲージを使うこともあります。
針の太さを変えると吸引圧を変えます。
Effect of needle diameter on pain during oocyte retrieval—a randomized controlled trial
Fertility and Sterility® Vol. 115, No. 3, March 2021