分割の過程により移植の優先順位が変わることはあるのでしょうか? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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タイムラプスで観察していて分割過程が大切とのことですが、分割の過程により移植の優先順位が変わることはあるのでしょうか?

 

この様なご質問がありましたのでお答えします。

 

凍結した胚盤胞が複数あるとしてタイムラプスで観察しない場合には胚を選ぶ基準は最終的な胚盤胞のグレードが全てになりますが、タイムラプスで観察していると最終的な胚盤胞のグレードだけではなく途中の受精や分割の過程を踏まえて判断するため、最終的なグレード良い方が実はその過程がよくないという逆転現象が起きてきます。

 

例えば凍結した胚盤胞が2個(4AAと4BB)の場合、普通は妊娠率が高い4AAから移植をしますが、タイムラプスで観察していて4AAの分割過程に問題がある場合には、問題が無い4BBからの移植を優先します。

近年ではKIDS scoreというのがあります。詳細はVitrolifeのHPに書いてあります。

 

 

最初の分割が大切 

 

タイムラプスモニタリングにより染色体異常胚を選別

 

前核形成が遅れると染色体の異常が増える 

 

タイムラプスとNGSで妊娠率が向上  

 

エンブリオスコープで妊娠しやすく、流産しにくい胚を作る