人工授精後に安静にしても妊娠率は上がらない | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。


人工授精の後は動かない方が良いのかと思いがちです。ただ実際には動いてしまい気にしている方がいるかと思います。人工授精後に安静にしても成績は変わらないという論文が有りましたので紹介します。

安静にした群と安静にしなかった群で妊娠率に差は認められませんでした。逆に有意差が無いものの動いた方が妊娠率や出産率は高くなっています。
       安静群   非安静群
妊娠率    32.2%             40.0
正児出産率  30.9%             37.6% 


このグラフは安静にしていたのと、安静にしていない群の累積妊娠率をみていますが、統計的に有意差は見られません。
結論
人工授精後に安静にしても妊娠率は上がらなく、むしろ動いた方が良い事がわかります。
これは胚移植にも言えますが、余りにも動かないとストレスも上がり血流も悪くなり逆に良く無い結果となります。
Human Reproduction, Vol.32, No.11 pp. 2218–2224, 2017
Immobilization or mobilization after IUI: an RCT