男性が高齢になると女性と同様に様々なリスクが上昇します。これに関しての演題が2017 ESHREにありましたので以下に紹介します。
男性の高齢化に伴い血液中の総テストステロン値は年間に0.4%減少しています。フリーテストステロン値は年間1.3%減少してきます。
精巣における生産の低下によりテストステロンが減少します。その結果精子形成も低下します。日々の精子が作られる量は年齢と負の相関関係を示します。
35歳から精液検査のパラメーターは減少を始めます。
男性の年齢が上がると妊娠までの期間が有意に長くなり、流産率も上昇することが報告されています。
テストステロンを補充する治療は精子形成を改善はせず、むしろ避妊にもつながり行ってはいけないことになります。
男性の年齢が上がるにつれて子供の遺伝的な疾患が増えることが認められています。(Paternal Age Effect Disorders).
加齢により精子を複製する際に点突然変異が起き、その結果として遺伝的な疾患のリスクが増えるとされています。
複数の因子により、統合失調症、自閉症の頻度は高齢の父親の子供に増えると考えられています。
この様な高齢の男性におけるリスクの情報を事前に治療を受ける夫婦に伝える必要があると思われます。
O-103 How to counsel the older man seeking hormone and fertility therapy
33rd Annual Meeting of ESHRE, Geneva, Switzerland 2 to 5 July 2017