採卵時に透明帯から出ている卵子は「変性卵」として扱われてしまい妊娠に至る事はできないと考えらているため、破棄される事が一般的です。
今回そのような卵子でも妊娠出産に至る事ができるという報告がありましたので紹介します。
透明体を欠く卵子と透明帯がある卵子に顕微授精を行い胚盤胞まで培養して凍結しその後融解して胚移植をしています。
透明帯が無い卵子と通常の卵子において
受精率は77% vs 77%
分割率は75% vs75%
胚盤胞到達率は39% vs 32%
これらは統計的な有意差は認めませんでした。
透明帯が無い卵子と通常の卵子において
融解後の胚生存率は90% vs 100%
生児出産率は37% vs 36%
分娩週数は38.3w vs 39.5w
出生体重は3115g vs 3010g
これらは統計的な有意差は認めませんでした。
透明帯から出ている卵子の写真
顕微授精後の胚の発生
A:変性した胚
B:胚盤胞になるが妊娠しなかった胚
C:胚盤胞になり出産した胚
Fertil Steril. 2014 Dec;102(6):1602-7.