おはようございます。本部SVのkazutakeです。
今日の結論からお伝えします。行政による「運営指導」と「監査」の物差しが、全国共通になりつつあります。感覚頼みの書類整備から、「確認項目・確認文書」に沿った備えへ。今日はそのための具体策までお話しします。
■何が起きたのか
福祉新聞Web(2026年6月30日)によると、厚生労働省は、都道府県などが障害福祉サービス事業者に対して行う「集団指導・運営指導」と「監査」のマニュアルを作成し、6月8日に都道府県などへ周知したと報じられています。これまで指導監督の考え方は研修会で示されるのみでしたが、今回まとまった手引きができた形です。背景には、営利法人の事業所が急増するなかで、不正請求などによる処分事例が発生していることがあるとされています。
報道のポイントを整理すると、次の3つです。
(1)指導監督は「集団指導」「運営指導」「監査・行政処分」の3段階。運営指導では、サービスごとに押さえるべき「確認項目及び確認文書」が、「サービスの質」と「サービスの質を確保するための体制」に分けて列挙されています。たとえば就労継続支援B型では、「利用者の心身の状況などの把握」という確認項目に対して、アセスメント記録やケース記録が確認文書として挙げられています。
(2)自治体の職員が限られるなか、運営指導の一部事務の外部委託やオンライン活用も記載されています。
(3)監査マニュアルでは、行政処分を全国的にそろえるため「処分基準の考え方の例」を提示。指定取消・全部効力停止・一部効力停止といった処分の程度をA〜D級の態様に分類し、人員基準違反や不正請求などの事由ごとに基準を設定するとされています。
なお、指導監査に関する通知や関連資料は、厚労省の「障害福祉分野における指導監督」のページにまとまっています。制度の詳細は必ず一次情報でご確認ください。
■現場と経営、それぞれの視点で
現場の視点で大事なのは、「記録が書いてあるか」ではなく「支援とつながっているか」です。アセスメント、個別支援計画、ケース記録が一本の線でつながっているか。運営指導で見られるのは、まさにこのつながりです。日々の記録を「監査のための作業」と捉えると苦しくなりますが、本来は支援の質を映す鏡です。
経営の視点では、処分基準が全国で統一される方向に向かうということは、「うちの地域はこれまでゆるかったから大丈夫」が通用しなくなるということです。指定取消は事業の即死。複数事業所を展開する法人やフランチャイズなら、1事業所の処分が法人全体・ブランド全体の信用に波及します。逆にいえば、運営指導は無料の経営チェックとも言えます。恐れるより、使い倒しましょう。
■明日から使えるアクション
・自法人が運営するサービスの「確認項目・確認文書」を確認し、書類の有無を○×で棚卸しする
・利用者1名分でよいので、アセスメントから個別支援計画、ケース記録までのつながりをセルフ点検する
・運営指導の連絡が来たときの窓口担当・書類の保管場所・提出手順を1枚にまとめ、事業所内で共有する
指導監査は「やましいことがなければ怖くない」ではなく、「準備した事業所ほど早く、軽く終わる」ものです。監査対応の経験談やお悩み、ぜひコメントで教えてください。フォロー・いいねも励みになります。次回は「人材育成とチームづくり」のお話です。
※最終的な算定判断や指導監査の具体的な運用は、最新の告示・通知と所轄の指定権者に必ずご確認ください。
参考:
・福祉新聞Web「不正事例の発生受け、障害福祉事業者への指導・監督強化 厚労省がマニュアル作成」(2026年6月30日)https://fukushishimbun.com/series06/45604
・厚生労働省「障害福祉分野における指導監督」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kanriseibi/index.html