毎年毎年 エイプリルフールには父親から 一つ優しい嘘が送られてくる。

これは僕が小さい頃からずっと変わらずに、エイプリルフールのイベントみたいなもので なんとなく毎年楽しみにしていたりしていた。

小学生の頃 一番驚いた嘘は 朝目覚めてすぐに " ベランダに熊いる!! " で、

上京してから 送られてきたメールで一番驚いた嘘は " お前に、、弟が出来た、、。"  と二十歳の時に送られて来たこと。



そんな風になんとなく家族のイベントみたいになったエイプリルフールも近年は 親父もエイプリルフールを忘れてしまうことが多く 僕が嘘を送ったりする。

去年は メールした時、 俺はもう歳だな、忘れてたよ。なんて言っていて 東京に出てきて15年経った事を改めて考えたりした。


歳を重ねているのは僕だけではないということだ。





そんな今年のエイプリルフールには 母親からメールが来た。

新しい元号に和の漢字入ってるね、びっくり。
最近元気でなかったけど 夕方玄関に
おとうさんが私の好きな花を内緒で買っててくれて 元気出た。



そんな風に連絡をくれた。




親父はいつも母が元気ない時 わかっていて、
元気にする方法をなんとなくわかっていて、

たまにそんな風にさり気なくカッコイイとこがほんと凄い。


"和、記念日とか何かある日に女性にプレゼントをあげるのは普通。何にもない日にあげるのがプレゼントだべ。"  

そんな言葉を思い出す度に 僕の原型は親父なんだなって思う。


そして、一生尊敬しているのは親父なんだと思うし、恥ずかしいことじゃないでしょ!って親父の事を話してくれる母親には一番愛を教えてもらってる気がする。