会社の業績が悪くなっていくなかで、左遷された主人公に対する接し方が変わってきたのかもしれない。このまま業績が向上していくと自分が流されるし、業績が沈滞してしまえば、再び自分のが浮かび上がっていくチャンスもある。これは会社の組織と人間に力学だろう、とは言うものの、ともかく今はこういうことは深く詮索しないでおく。
…確かに会社の業績は左遷された自分のミニ影響を及ぼすことはあるだろう。ただ、それはそれ。自分のやるべきことはやって、必要な時には呼ばれるし、必要ではない場合はそのまま頑張るしかないのだろう。
ただ、この本は自分が感じていることが、随所に出てきていて、とても参考になる。同じようなことが起こった時、どのように考えて対処するべきなのか?とても参考になるし、冷静に心に入ってくる。左遷にあった人の参考文献としてはとても良い。ただ、ちょっと古い事だけがネックなのだが。主人公は私の父親世代。父親もこんな苦労をしながら生きてきたのだろうとも感じた。

冬の火花 ある管理職の左遷録 江坂彰著 文芸春秋社[1983]