社長就任を祝う社員によるパーティーが開催されたシーンが出てくる。ここへの出席率が異常なほど高いという状況。
社員が皆、社長就任を心から祝っているわけではないが、かといって、不承不承出席したわけではない。私もこうして出席していますよ、と自己表示することは社長へというより、新体制への忠誠の儀式なのだ。バスに乗り遅れたものでさえ、慌ててバスに乗り込もうという素振りだけは、ともかくも見せておかねばならないというサラリーマンの体質が出ている。
☞ このシーンは今の俺とは関係ないが、それでもよく理解できる場面だ。

冬の火花 ある管理職の左遷録 江坂彰著 文芸春秋社[1983]