1888年に発明家、ジョージ・イーストマンによって、定焦点のコダック・カメラが考案発売された。このカメラは、案箱内部に、百枚撮りのロールフィルムを内蔵させてボタンを押すだけで映るというもので、全部を取り終えると、カメラごとイーストマン・コダック社に送って現像させるという仕組み。日本の明治初期には、カメラの大衆時代が始まった。
…140年ぐらい前の話だが、その頃にようやく写真機…おそらく車もそうだが…大衆の時代になったのだが、その前の歴史を俺たちは知っている。何十年という歴史がありながら、この150年ぐらいの間で、俺たちの生活が大きく変化している。ここから先の150年も急激な変化を繰り返していくのだろう。孫の世代になるのだ。

街道をゆく39 ニューヨーク散歩 司馬遼太郎著 朝日新聞社[2009]