七夕祭りは毎年、77日に行われる伝統的な行事です。この日に、織姫と彦星は、天の川を介して、一年に一度だけ会うことができます。夜空を眺めると、大宇宙が目の前に広がっています。


最近、サイモン・シンの "宇宙創成" という本で、ハッブルが宇宙についての重大な発見をしたという記述を興味深く読みました。


エドウィン・ハッブルは、アメリカの天文学者として知られています。亡くなったのは1953年ですから比較的最近です。wikipediaによると、妻のグレースは葬儀を行わず、遺体の埋葬先についても決して明かさなかったそうです。これは、葬儀をせず、墓標のない墓に埋葬するようにというハッブルの希望によるものとみられています。宇宙の広大さを実感した偉大な天文学者の遺言として、何となく理解できます。


彼は近代を代表する天文学者の一人であり、宇宙論の基礎を築く重要な発見をしました。彼の研究は、我々の銀河系の外にも無数の銀河が存在することや宇宙が膨張している事を明らかにしました。


ハッブルは、アメリカ西海岸ロサンゼルス近郊にあるウィルソン山天文台を拠点に研究を行いました。そこで彼は、1929年の論文で、銀河からの光が赤方偏移する現象を初めて報告しました。この発見は、宇宙が膨張していることを示す証拠となり、ビッグバン理論の基礎を作ることになりました。最初の論文が発表されてからまだ100年経っていないのは驚きです。


地球の自転速度は赤道上で時速1700kmであり、地球が太陽の周りを回る公転速度は時速11kmです。太陽系は我々の居る天の川銀河のヘソを中心として、時速85kmでその銀河内を公転しており、天の川銀河自体も膨張する宇宙に乗って、時速約216kmのスピードで宇宙空間を移動しています。


私たちは宇宙空間を超高速で移動する地球という乗り物に乗っていることになります。更に、あと6億年後には、地球は太陽にのみ込まれ、消滅する運命と言われています。日常生活を送っていると気づきませんが、宇宙がダイナミックに活動している事が理解できます。



ウィルソン山天文台。ハッブルは100インチ(2.54メートル)望遠鏡での観測で、歴史的に重要な計算を行った。彼は、マゼラン星雲が実際には我々の存在する天の川銀河の外にあり、更に、宇宙が膨張していることを示す赤方偏移の存在を明らかにした。wikipediaより改変し引用。


エドウィン・ハッブル(1889-1953年)。ノーベル賞級の発見をしたものの、理由は不明だがノーベル賞をもらっていない。



天空に浮かぶ天の川。もちろん、地球も天の川銀河の一部なので、夏は銀河の中心部方向を眺めることになる。地球が位置する天の川銀河と同じ様な銀河が宇宙に2兆個存在することが、ごく最近のハッブル宇宙望遠鏡による研究で明らかになった。