サマセット・モームの小説「月と六ペンス」は、ゴーギャンをモデルにした小説であることが知られています。この小説は、主人公ストリックランドの人生を描いたものであり、その人生には芸術への情熱と狂気が交錯しています。


小説では、ストリックランドを月に例え、凡庸な画家であるストルーヴェを6ペンスに例えることもできます。このような対比により、ストリックランドの芸術家としての才能を際立たせていることが分かります。また、小説の中でストルーヴェに、「美とは芸術家が鑑賞者に聴かせる歌のような物、その歌を心で聴くには、知識と感受性と想像力が必要」と言わせています。つまり、凡庸な才能では、卓抜した美の創造は決してできないと言っているのです。


この小説を読んで、ゴーギャンが描いた絵やタヒチでの実生活に興味を持ち、ゴーギャンの自伝「ノアノア」を読んだところ、小説とは違った南洋の島タヒチやマルケサス諸島でのゆったりとしたゴーギャンの実生活が垣間見え、楽しめました。


更に、フランス国営放送局TV5MONDEが制作したゴーギャンのドキュメンタリーフィルムを見たところ、美しい南洋の島を背景に、ゴーギャンの島での生活やそこで感じたことがナレーション付きの映像で流れていました。


モームの小説は、芸術家の生涯を描いたものであり、ゴーギャンによる南洋で描かれた絵画に興味を持つきっかけにもなりました。また、自伝やドキュメンタリーフィルムを通して、ゴーギャンの実生活についても知ることができ、彼の芸術活動に対する理解を深めることができました。



タヒチの風景



マルケサス諸島の風景