代表的な腰痛です。
骨盤の背中側の一枚である仙骨と、太ももの骨である大腿骨の大転子を繋ぐ筋肉です。
大体、座っていると痛みが悪化していきますし、腰を前屈すると症状は強くなる傾向があります。
しかも、多くはレントゲンやMRIでは異常が見つかりません。
症状は大きく2つ。
1.梨状筋自体が痛い。
梨状筋に硬結ができてそのせいで痛い場合です。
これは簡単。その硬結を取れば治まります。
2.梨状筋に坐骨神経が絞扼される。
痛みや痺れ知覚異常が腰、臀部、太ももとふくらはぎの後ろ側、足などに及びます。
もっとひどいと会陰部や直腸ということもあるようです。
これがかなり厄介です。
原因は、長時間座ることやスポーツなどに加え、ギックリ腰が引き金とか、臀部挫傷や股関節捻挫などのケガの場合も考えられます。
普通に考えれば、梨状筋を緩めれば症状はおさまるハズです。
マッサージやストレッチで緩めれば良いと思います。
しかし、普通に考えれば、圧迫されているものを圧迫して緩めるんですから、まあ痛いでしょう。
直接ではなく、間接的に緩める方法もあるんです。
それから、梨状筋を緩めても、痺れが取れない場合があります。
その場合は、別の部分に問題がある可能性があります。
症状は梨状筋症候群ですが、梨状筋が原因ではないですから、梨状筋症候群というのは正確ではないのかもしれません。
それがどうしました?
大切なのは「分類」ではなくて、「その症状が軽快する事」ではないでしょうか?
患者さんにとって、原因が特定される事は大切です。
診断がついて、病名がハッキリする事も大切です。
しかし、一番重要なのは、「痛みや痺れが取れること」ですよね?
レントゲンやMRIに頼る事なく、原因を探す方法があります。
エビデンスレベルが低くても、その症状を取り去る方法があるとしたら、エビデンスレベルは重要ではなくなると思いませんか?
エビデンス不要論ではありません。
エビデンスよりも大切なものは何か。
少し考えてみてはいかがでしょうか?