娘へ
以前，知人から慌てた様子で
電話がかかってきたことがありました。
聞けば
「娘が万引きしたと警察から連絡があった。」
と。 知人はその当時，義母の入院に
付き添うことが多い生活で，娘さんの
学校行事への参加や，日々のお弁当作り
などをしていない状況だったそうです。
(子供は親が大変な時に困らせるものですね)
知人は，お母さんにアドバイスを
求めてきました。
お母さんも突然の事で、
どう声かけをしていいのか
わかりませんでしたが、
娘さんの気持ちになって
考えてみました。
そして知人に、
「秘密を守れない家族には
万引きの事を言わない方がいいかも。
娘さんに会ったら，怒るのではなく
お店への謝罪を親子でしっかりして、
その後は2人で食事をしに行ったらいい
のでは。」と言いました。
そこでの会話は、
娘さんを責めるのではなく、
「お母さんが，おばあちゃんの事ばかりして
あなたに構ってあげられなくてごめんね。」
と，それだけ言った方がいいのではないか
と伝えました。
聞けば，他のお友達は皆逃げたみたいで、
娘さんだけが補導されたそうです。
(結果的には，立ち直るきっかけになったので
補導されてよかったと知人は言っていました)
数年が経ち，
知人は娘さんからこう言われたそうです。
「あの時，お母さんから怒られるのではないか
と思って、怖かった。
でも、お母さんが自分が悪かったみたいな事を
言ってくれて，一緒に食事をして、
そして他の家族に秘密にしてくれたことで
私は立ち直った。ありがとう。」と
そして知人から
お母さんはこう言われました。
「あの日，警察から電話があった時、
まさか自分の娘がそんな事をするなんて
夢にも思っていなかった。
頭に血が上ってカーッとなった。
たぶん，あなたに電話をしていなければ
娘を叩いていたかもしれない。」と。
結局，知人は他の家族の誰にも
言わなかったそうです。
今の子供たちは，親に相談できずに
悩んでいる子供も多いと思う。
親の反応(怒る，悲しむ)を考えると
ますます相談しづらいのだと思う。
親は自分の感情を抑えて
“意外とあっさり”な反応が
いいのかもしれない。
人に相談できると，それだけで
心の負担が減ると思う。
ちなみに，知人の娘さん
今は社長夫人として頑張っています。
(母)