考察というよりは雑感です。

何切る議論(押し引き含む)でよくプロの打牌が批判されます。打牌批判自体は批判していただくとその局面を再検討するので有難い事です。
一方で違和感がある時もあります。

その違和感を「ステージの違い」と表現しているプロをちらほら見かけますし、僕も使います。
ただこの表現は万能で、アマの方の適切な批判をも阻む恐れがあります。

今回
これは僕自身プロにならないと分からなかった感覚を言語化し、
「ステージの違い」という表現をプロでない方に向けての説明を試みてみたいと思います。

結論としては
【基本的に最適戦略が違う】
です。

麻雀の実力をピラミッド形式にしてみます。
%の割り振りは個人的なイメージです。

下位層→89~92%
中位層→7~10%
上位層→1%

中~上位層の最適戦略は
「いかに効率よく下位層からの搾取するか」です。
下位層からの搾取の効率的な方法は戦術本などに多く書かれている通りです。

簡単な例ですと
後手を踏ませる回数を多くし、選択を間違えやすい局面を多く作る事です。

巷のフリーでは全員が中位層以上という事はほぼありません。稀でしょう。

さて、プロはどうかというと
【中上位層の割合が著しく高くなる】という事です。特にリーグ上位にいけばいくほど。

今まで中位層が勝てていた方法は、
上位層にとって
「見慣れた対応しやすい有難い戦略」となるのです。

この事に気づかないまま対応できない中位層の実力のプロは自然淘汰されていきます。

プロになる前にあれだけ尖っていたのにプロになって急に周りをリスペクトし始めたな。
という人が一定数いる理由がこれです。
自然淘汰される前に気がつけるだけ強いと思いますし、自分自身もそうならないとなと感じています。

さて、踏み込みましょう。
Twitter上の反応で、皆さんが弱いと思っているであろう日向プロの話をしてみます。
(先輩である日向さんごめんなさい。Mリーグお疲れ様でした。)

日向さんの相手はほぼ常に
中位1人上位2人
or
上位3人

です。

その状況下で、下位層から搾取する最適戦略を採用するのは悪手となります。

中~上位アマの方は恐らくピンとこないと思います。その理由もよく分かります。
なぜなら負けた事がないからです。
理解してという方が無理かもしれません。

ただ、一定レベルのプロの対局は
下位層搾取の戦略は有難いと捉えられる世界。
これが「ステージの違い」です。

下位層搾取戦略は牌効率に始まり、基本戦略としてとても有効です。ただ、他の戦略も取り入れないと単調になりますよ。という。

最近は打点寄せが流行りです。
石橋さんがしてた完全ブラフの技術がそろそろ注目されてもおかしくないような気がしてます。
注目されても取り入れられるのはプロの世界だけですけども。
僕自身の体験談として、アマの世界ではブラフはかなり効率悪いです。間違いない。


日向さんの名前を出したので少しだけ話を。

女性のプロは麻雀についてプロアマ問わずあれこれ言われます。
周りもプロという環境で麻雀の話はひたすらにされてきているのは想像に難くありません。

プロ生活において周りから沢山言われてきたであろう中であのバランスで生き残っているのです。
絶対頑固なんだろうなーと日向さんの手組を見るたびニヤニヤします。


長期スパンで結果を出している人はそれ相応の評価をすべきです。
日向さんに関していえば、めちゃ勝たないしめちゃ負けなそう。その中でプラス域で収めてるのは評価すべき。
女流タイトル取れてるのは負けにくいから。
しっかりワンチャン仕留めてるんだと思います。

結果出している人に麻雀のゲーム性で上振れ引いてるだけと言うのは違うかな。

僕も麻雀少し変なんで分かりますが。
(日向さんは変ですw)
結果残さないとただの下手なんですよね。

「魅せる」「潔い」「美しい」とか結果残さないと下手の戯れ言なんですよ。 
先日のMリーグの最終日の通り
勝つ麻雀は自然と「魅せる」「美しい」と感じますし、今の時代、解説の方が上手く表現してくれます。

負けてもいい麻雀で手役を作り抽選状態にして、見てる人を沸かすのはいいかもしれない。
でもそれをするならエキシビションとかオールスター戦みたいな感じかな。
(あくまで個人の感想です)

話が逸れました。
「ステージの違い」

打牌説明の際、あまり使わないように心がけますが「ステージの違い」と表現した際は、このブログを思い出していただけると幸いです。