本当に辛かったんだ

ひとりぼっちで腐ってた

泣く事も諦めて

生きる事も捨てようとしていたんだ


うずくまってる僕に その人は近づいて

その人は両手を僕の胸に当てたんだ

そしたら胸の中に両手が入って来て

『こころ』をそっと両手で包んでくれた

あったかくて やさしくて やわらかで

涙が溢れたんだ


そして手を胸から抜いて 僕の手を握り

『さあ 今度は君の番だよ』

そう言うと歩いて行ってしまった


立ち上がり周りを見渡すと

さっきまでの僕みたいに うずくまってる人がいた

なぜだろう その人のところに行かないといけない

そんな気持ちで歩み寄ったんだ

そして見上げるその人の胸に 僕は両手を差し伸べた

両手は胸の中へ そして『こころ』があった

冷たくて 硬くて 小さかった

そっと触れると 寂しさや悲しみや辛さが伝わって

僕は泣いていた

暖めてあげたい 硬くなった『こころ』をほぐしてあげたい

そう願ったんだ

そしたら冷たかった『こころ』が柔らかで暖かくなってきたんだ

気付くとその人は泣いていたんだ

僕は何も聞かないで一言を伝えたんだ

『さあ 今度は君の番だよ』ってね

その人の笑顔が とても嬉しくて嬉しくて

僕は笑顔で歩いてたんだ