またデタラメ数値だ――。11日、2011年の福島原発事故から8年を迎えた。民間のシンクタンク「日本経済研究センター」は7日、廃炉や賠償などの処理費用が、総額35兆~81兆円になるとの試算を発表した。経産省が16年に公表した試算額は22兆円。経産省は思いっきり過少試算して、原発をゴリ押ししてきたのだ。

 日本経済研究センターは1963年に設立された非営利の民間シンクタンク。2年前、総額が50兆~70兆円との試算を発表しているが、最新情報をベースに試算し直した。

 試算では、東電の賠償額を8兆円から10.3兆円に増額する一方、除染費用は、環境省の最新データを踏まえ、30兆円から20兆円に減額している。最新の増減要因を加え、客観的で正確な試算を導こうという姿勢がうかがえる。

■原発推進も偽装の上に進められていた

その結果、核燃料デブリを取り出して廃炉にした場合は81兆円、デブリを取り出さずコンクリートで閉じ込め、廃炉を見送った場合は35兆円と試算している。35兆円には廃炉見送りで生じる住民への賠償や管理費は含まれていない。

 経産省は16年12月、当初11兆円としていた費用を22兆円に修正し、「倍増だ」と批判された。その22兆円ですら、民間の客観的な試算に照らせば、低過ぎるのである。

 原発問題に詳しいジャーナリストの横田一氏が言う。

「原発を推進したい経産省は、変動要因をすべて楽観的に見て試算しています。当初の11兆円では済まなくなり、22兆円に修正せざるを得なかったのですが、楽観的な見通しは維持しています。『日本経済研究センター』は、反原発でも推進でもなく、試算は客観的にはじかれています。81兆円は経産省の22兆円よりも、圧倒的に信頼性がある数値といえます」