日米首脳会談で、トランプ大統領に「鉄鋼・アルミの輸入制限適用除外」や「TPP復帰」を拒まれた上、「武器購入」と「通商協議」を突き付けられ、惨敗だった安倍首相。その中で、唯一“成果”として持ち帰ったのが、米朝首脳会談で「拉致問題」を取り上げるという約束だ。帰国した安倍首相は鼻息が荒くなっているが、米朝会談で、北が「解決済み」と突っぱねたり、無言だったら、トランプはどこまで食い下がってくれるのか。
安倍首相は22日、北朝鮮による拉致被害者家族らが出席した都内の集会で「拉致問題は安倍内閣の最重要課題。前進するよう、私は司令塔となり全力で取り組みたい」とあいさつした。トランプに丸投げしておいて「司令塔」とはお笑いだが、内憂外患のドツボにはまる安倍首相は、米朝会談での拉致問題で失地回復をもくろんでいる。
河野外相も日本時間23日、カナダ・トロントの「G7外相会合」で拉致解決を各国に呼びかけた。拉致問題を巡って、安倍政権はにわかに色めき立っている。世論もサプライズに期待しているが、ちょっと待ってほしい。
■北の「解決済み」にどう応える?
「日米首脳会談でトランプ大統領は、できる限りの努力をすると約束しましたが、米朝会談で拉致問題に言及すれば、結果がどうであれ、ベストを尽くしたことになる。北の具体的な譲歩が事前に練られているわけではない。このままでは、『言及しただけ』になりかねません。一方、米国は『ポンペオ訪朝』で、米国人の拘束者解放を取り付けるなど、着実に北の譲歩を引き出しています。日本は、ポンペオ訪朝時に、拉致被害者の解放も要求してほしいとお願いすべきでした」(外務省関係者)
4月初めに極秘訪朝したポンペオ米中央情報局(CIA)長官は1日、金正恩委員長と初めて会談。金正恩は、米朝首脳会談に合わせて、拘束中の米国人3人の解放を保証したという。
ここで、ポンペオ氏が、日本の拉致被害者も合わせて要求すれば、北は何らかの対応をしたかもしれない。しかし、安倍政権がポンペオ訪朝を知ったのは会談から10日も経った4月11日。まさに後の祭りだ。