「ヘアミストをつけているのに、夕方になると自分の髪のにおいが気になる」。
秋口のサロンで、よく伺うご相談のひとつです。
ヘアミストは香りを足す道具で、においの出どころを止める道具ではありません。
においを出しているのは、髪ではなく頭皮です。
だから順番は「落とす→乾かす→香らせる」。
この順番がそろえば、ヘアミストは心強い味方になります。
静岡市葵区鷹匠の美容室「五感鷹匠 髪の診療所」で、
毛髪診断士(公益社団法人日本毛髪科学協会認定)として髪と頭皮を見ている松下が解説します。
この記事でわかること
- 頭皮のにおいがどこで生まれているのかがわかります
- ヘアミストを重ねると逆に気になりやすい場面がわかります
- 香りの前に見直したい洗い方と乾かし方がわかります
- 美容室や皮膚科に相談したほうがよい目安がわかります
頭皮のにおいとは何か?出どころは髪ではなく頭皮
頭皮のにおいとは、頭皮に残った皮脂や汗が時間とともに変化し、そのにおいが髪に移って広がる現象です。
髪の毛そのものには、皮脂を出す腺も汗を出す腺もありません。
髪はにおいを「つくる」側ではなく、「受け取って運ぶ」側です。
カーテンが部屋のにおいを吸うのに近いと考えるとわかりやすいと思います。
ですから、毛先にどれだけいい香りをのせても、
根元でにおいが生まれ続けていれば、時間がたつと戻ってきます。
なぜ夕方に頭皮がにおうのか?毛髪診断士から見た理由
皮脂が時間とともに変わっていくから
朝きれいに洗っても、頭皮からは一日じゅう皮脂と汗が出ています。
洗い残した皮脂は空気にふれて変化し、常在菌にも分解されます。
この積み重ねが、夕方の「なんとなく重いにおい」の正体です。
においが強いのは頭のてっぺんと後ろ側
マンダムが約800人を調べた研究発表(2013年)では、
30〜40代男性に多い脂っぽいにおい「ミドル脂臭」の原因物質をジアセチルと特定しています。
同じ発表で、においが強かった部位は頭頂部と後頭部でした。
多くの人が気にする耳の裏は、意外にもほとんどにおわなかったそうです。
伊藤廉『大人髪のトリセツ』(KADOKAWA)は、男性は30〜40代でミドル脂臭、50代前後で加齢臭が目立ってくると整理しています。女性の加齢臭は、研究がまだ追いついていない分野だとされています。
女性のにおいについては、どの成分がどれだけ関わっているのか、
まだはっきりしていません。
年代や性別だけで、においの原因を言い切ることはできません。
においは不潔だから出るのではなく、年齢とともに変わる自然な変化でもあります。
ヘアミストを重ねると逆に気になる3つの場面
1. 皮脂が残ったまま吹きかけたとき
変化した皮脂のにおいと甘い香料が混ざると、
どちらとも違う、こもったにおいになることがあります。
2. 夕方に重ねづけしたとき
夕方の頭皮には、朝からの皮脂がたまっています。
そこに香りだけを足すと、においの元と香料がすぐ近くで混ざります。
3. 赤みやかゆみがあるとき
香りの成分やアルコールが、荒れた頭皮にはしみる場合があります。
このときは香りより、頭皮を休ませるほうが先です。
静岡市の美容室で実際にあるにおいのご相談
五感鷹匠には、静岡市内はもちろん、少し離れた町から鷹匠まで通ってくださる方もいます。
においのご相談は、ほとんどの方が言い出しにくそうにされます。
実際に頭皮を見せていただくと、つむじのまわりや襟足に
洗い残しの皮脂が見つかることが少なくありません。
洗っているつもりでも、指が届きにくい場所があるのです。
ただし、サロンでは診断はできません。
私たちが見られるのは、皮脂の残り方や乾き方といった「状態」までです。
様子見でよい場合と皮膚科に相談したい場合の線引き
- 様子見でよい目安:洗い方を変えて2週間ほどで落ち着く。赤みやかゆみがない
- 美容室に相談:洗い方を変えても数日で戻る。どこが洗えていないか知りたい
- 皮膚科に相談:強いかゆみ、赤み、フケが続く。ジュクジュクした部分がある
香りの前に今日からできること5つ
- 洗う前にブラッシング。乾いているうちにホコリを落としておくと、そのあとが楽になります
- お湯だけで1分半流す。湯温は38℃が目安です(『大人髪のトリセツ』)
- 頭皮と髪を分けて考える。シャンプーは指の腹で頭皮をつかむように動かします。つむじ・頭頂部・耳の後ろ・襟足は念入りに
- すすぎは「もういい」と思ってから+30秒。流し残しもにおいの元になります
- 洗ったらすぐ根元から乾かす。ヘアミストはそのあと、毛先から中間に20〜30cm離してひと吹き
お湯だけで洗う「湯シャン」は、においの面ではおすすめしにくい方法です。
フライパンの油がお湯だけでは落ちにくいのと同じ理屈です。
お風呂での手順はお風呂で頭皮ケアする順番と湯温の目安に、
皮脂とにおいの関係は頭皮のにおいの原因は皮脂だけではないという話に書いています。
常在菌については頭皮の常在菌とフケ・かゆみの関係もあわせてどうぞ。
ヘアミストと頭皮のにおいについてよくあるご質問
Q. ヘアミストを頭皮に直接かけてもいいですか?
おすすめしません。毛先から中間で十分です。
頭皮に何かつけたいときは、頭皮用に作られたローションを選んでください。
Q. 1日に2回洗えば、においは減りますか?
洗いすぎると頭皮が乾き、かえって皮脂が増えることがあります。
回数を増やすより、1回の洗い方を見直すほうが近道です。
Q. 香りの強いシャンプーに替えれば隠せますか?
一時的に隠れても、においの元は残ります。
ベタつきや乾燥など自分の悩みに合うかで選び、1本使い切って振り返ってみてください。
Q. 女性でも頭皮はにおいますか?
においます。ただ、女性のにおいの成分は研究の途中です。
年齢のせいと決めつけず、まずは洗い方から見直してみてください。
まとめ
- においを出しているのは髪ではなく頭皮です
- 順番は「落とす→乾かす→香らせる」。ヘアミストは最後の仕上げです
- 洗い方を変えても戻るなら、香りで隠し続けずに一度ご相談ください
もっと詳しく知りたい方へ
この記事では、においの出どころと香りの前にやることまでをお話ししました。
ヘアフレグランスの選び方や、香りでできること・できないことの線引きは、こちらに詳しく書いています。
→ ヘアフレグランスで頭皮のにおいは消える?香りを重ねる前の順番を毛髪診断士が解説
静岡市葵区鷹匠の美容室「五感鷹匠 髪の診療所」
髪質改善と縮毛矯正に特化したサロンです。毛髪診断士が髪と頭皮の状態を見たうえで、施術を組み立てます。「何を選べばいいかわからない」というご相談から承っています。
〒420-0839 静岡県静岡市葵区鷹匠3-14-1 zenith 101号
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※ この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。