毎日怖い話57「着ぐるみバイト」 | 山下カズオオフィシャルブログ「山下カズオのはやくちな日々!」Powered by Ameba

毎日怖い話57「着ぐるみバイト」

僕は怖い話や不思議な話が好きなんですが、なかなかテレビで見ることがありません。

なので怖い話を自分でしようと思います。
僕が聞いたり、教えてもらった話をブログに書きます。

怖くなかったり、微妙な話があると思いますし、一応プライバシー的なモノを加味して仮名もしくはイニシャルにしてます。
それでもよろしければ…



「着ぐるみバイト」

女性のKさんがイベントでよくある、動物の着ぐるみに入ってバイトをした時の事です。
着ぐるみに入るとわかるんですが、非常に視界が悪く、音も聞こえづらい。
しかも長時間となるとかなりの疲労を感じます。

そんな中で着ぐるみを着てバイトをしていたんですが、悪い視界の中で少し離れた場所からずっとこちらを向いている中年の男性に気がつきました。

関係者かな?とたいして気にしていませんでしたが、不思議な事にどんなに動いてもその男性は視界に入り続けています。

一仕事終え、バイト仲間と休憩した際にこの事を他の人に伝えました。

するとバイト仲間の中で一番長く働いている男性Oさんが食いついてきて、その男性がどんな人か詳しく聞いてきました。

「体型は?」
「小柄で細身の男性」
「年は?」
「だいたい30後半から40代くらい」
「なにか特徴ある?」
「ハッキリはわからないですが、Tシャツみたいな格好で、少し微笑んでるように見えました」

こう答えると、Oさんはこんな話をしてくれました。

Oさんがこのバイトを始める少し前に、Dさんという男性が働いていたそうです。
Dさんは子供が大好きで、他に仕事をしながら、このバイトを見つけ、趣味と実益を兼ね、着ぐるみ越しではあるものの子供達の笑顔を見る事が大好きな、絵に描いたような子供好きの男性だったそうです。

ある日、Dさんがイベントで着ぐるみを着て働いていると突然の心筋梗塞。
急遽病院に運ばれましたが、帰らぬ人となってしまいました。
それから、着ぐるみ越しにDさんの姿が見えるという話がまことしやかに話されていたそうです。

Oさんは全く見た事がなく、最近は他の人も見たという話を聞かないので忘れられていた話を思い出したそうです。

Kさんは、なぜ自分にだけ見えるか謎でしたが「きっと子供が好きだから見にきてるのではないか?」とほっこりしたKさん。

しかし、次のOさんの言葉を聞いてゾッとしました。

「Dさんが亡くなった時、着ていた着ぐるみ、今日Kさんが着てる着ぐるみだよ!」

休憩後もなんとか仕事をこなしましたが、Dさんと思わしき男の姿は常に狭い視界に入っていたそうです。