毎日怖い話29「潰れる店」 | 山下カズオオフィシャルブログ「山下カズオのはやくちな日々!」Powered by Ameba

毎日怖い話29「潰れる店」


僕は怖い話や不思議な話が好きなんですが、なかなかテレビで見ることがありません。

なので怖い話を自分でしようと思います。
僕が聞いたり、教えてもらった話をブログに書きます。

怖くなかったり、微妙な話があると思いますし、一応プライバシー的なモノを加味して仮名もしくはイニシャルにしてます。
それでもよろしければ…


「潰れる店」

東京の下町にある雑居ビル。
飲食ビルと言いますか、地下1階から2階まであり、飲食店を中心にテナントが数店舗入っているんです。

1フロアに3~4店舗ほどお店があり、駅から少し遠いもののある程度お客さんも来ていたそうです。

その中で地下の一番奥にあるテナント。
この場所がどうしてもお店が長続きしないで潰れてしまうのです。

バーにスナック、外国料理のお店、ラーメン屋などなど。
数カ月もてばいいくらいで、あっという間に潰れてしまいます。

Kさん(女性)はその地下で小さなカレー屋を経営していました。
Kさんのはす向かいにそのテナントはあります。
ありがたいことにKさんのお店は小さいながら、お客さんで賑わっていました。

ある日の夜、閉店時間でお店を閉め片付けをし、ゴミをまとめてお店の外に出そうとしたら、一番奥のテナントに人が入って行くのが見えました。

その頃一番奥のテナントには空テナントで店舗は入っていません。

しかも入って行くといっても、ドアを開けたりする訳じゃなく、スーッと扉をすり抜けてテナントの中に入る感じでした。

不審に思いながらも確認しに行くと、空きテナントには鍵がかかっていて、中は真っ暗で人がいる気配がありません。

念の為ノックをしても返事がある訳がなく、

「なんだ気のせいか」と、思った瞬間、

ドンッ!!
と、扉を叩く大きな音が地下にフロアに響きました。

急に怖くなったKさんは慌てて逃げ出し、自分の店を片付け、管理担当の警備員に話をしたそうです。

その警備員さんは古くからいる方で、警備員いわくよくある事らしく、話によると昔あのテナントでバーをやってた男性がお店の中で亡くなったそうです。

まぁ急死という話なんですが、店舗の鍵を閉め、自殺だったのではないかという噂もあるそうで、

「未だにこのテナントは俺のもんだ」と思って離れないんじゃないのかな。だから新しい店舗も長持ちしなかったりね。と、警備員さんは語ってました。

まぁ警備員さんが霊をまず第一に考える点がおかしいなとも思ったんですが、Kさんはそれよりもおかしな点がありました。

もしバーをやっていた男性が未練を残し、お店を離れないならまだ話はわかるんです。
ただKさんが見た、扉にスーッと入っていった人影は、確実に女性の姿だったのです。

その後もそのテナントに入る店舗は長続きせず、閉店を繰り返し、未だにその建物はあるそうです。

一体あの女の姿をしたモノは一体何だったのでしょうか??
あの女の姿をしたモノが閉店に導いているのでしょうか。