ベアテ・シロタ・ゴ-ドンさんがとうとう逝ってしまいました。

年末、かなり厳しい容態とは伺っていましたが、本当に残念です。

ベアテさんは、日本国憲法草案作成過程に関わったGHQ民生局の一員として、
歴史の生き証人として知られていますが、
日本文化をアメリカに紹介するお仕事にも、愛情深く、精力的に取り組まれてらっしゃいました。

青年劇場で上演した演劇「真珠の首飾り」の折、
出演者の一員だった私も
食事をご一緒させていただいたり、滞在先にお送りしたりと、
身に余る機会を与えてもらい、
その都度、日本文化についての幅広い知識をわかりやすくお話してくださり、私の芸術観の幅の狭さをやんわりと気付かせてくださいました。
やさしい、人間として魅力にあふれた方でした。
今度気が付いたのですが、私の母と同じ年の生まれでした。

日本国憲法9条をめぐる、改悪の動きにとても心を痛めておられ、
ご自分の体験を多くの日本人に伝える講演活動にも
積極的に取り組んでくださいました。

総選挙を前後して、国防軍創設や核武装など、好戦的な政治家や政党が声を荒げる今、
日本を再び戦争国にしない現憲法の値打ちを
たくさんの人と一緒に守らなければ!

心からご冥福をお祈りいたします。


演劇「真珠の首飾り」上演にあたってのベアテさんのコメント

青年劇場の「真珠の首飾り」を観劇したことは、私にとって大変スリリングな体験となりました。
何故かといえば、若い時の私と年を取ってからの私の両方が、劇中で主要な役だったから、それに日本の新憲法を観客にとてもわかりやすく説明していたからです。
日本の新憲法は憲法のモデルであり、だからこそ、そのメッセージは出来る限り宣伝されるべきであると、50年前、私はそう信じていました。
そして今も確信しています。
青年劇場はこの舞台で、女性の権利と平和への理解を多くの人々に伝えました。
あんなに真剣な舞台に、敢えて取り組んだ青年劇場とジェームス三木さんは称賛に値します。
勇気と信念を持つ青年劇場が、この作品を長く公演し続けることを期待します。
成功をお祈りしています。
ベアテ・シロタ・ゴ-ドン


http://www.seinengekijo.co.jp/s-sinnzyu/sinnju.html