「十二夜」公演初日まで二週間と一日。


7月に手に入れた朝顔の苗が順調に育ち、


連日開く可憐な花から栄養をもらって『十二夜』の稽古場に通う毎日。







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今日は、翻訳者の小田島雄志先生が稽古場に足を運んでくださった。


各場ごとの稽古の予定だったが、急遽、二幕目をほぼ通す形に。





今年2月にもお招きして講演していただいたが、


今日も稽古のあと、貴重なお話をお聞かせいただいた。


「シェイクスピアの上演は、どんなものでも勢いとテンポが大事なんです」


「『十二夜』は、私が最も面白いと思う作品です。表面的に面白いだけでない。


女が男に化けて騙す、堅物の執事を偽のラブレターで騙す、彼はその上自分までも騙している。


『十二夜』は騙しの喜劇で、お客はただ笑うだけでない面白さを味わえるんです」




「亡くなった太地喜和子は、若い頃の舞台で、客席後方から登場してきて振り返り、


お客さんの方を向いた途端に頭が真っ白になって歌うべき歌詞を忘れてしまった。


彼女は、とっさに、額かほっぺをたたいて『ゴメンナサイ!』


客席から声援の拍手が贈られ、その瞬間喜和子は客席を引き寄せたんです。


役者は例えトチッたとしても、気にしないでやるんです」





書かれたセリフに縛り付けられるな!役者がそのまま生きる世界を作りなさい。


と、おっしゃりたかったのだろう。


「今日稽古を観て安心しました。しっかりつくってる。役者がどんどん面白くしていってください」


大きな励ましと、注文をいただいた。小田島先生、ありがとうございました!





さて、稽古場の毎日は…。


終始テンション高く笑顔で演じるY女史いわく、「目尻の皺が深くなってる!」





サー・トービー役の私自身のことを少々。


舞台上でなんと立ち回りがあるのだ。


かつてTVの時代劇に出演したとき日本刀を抜刀して敵を追うシーンは体験していても


実際に剣を当てての立ち回りは初体験。


殺陣指導は、ロシアから日本に来て身体表現・演劇教育に関わるビクトル・ニジェルスコイ。


サービス精神旺盛で、随所に工夫をちりばめてくれた。


若い出演者も多く、本を載せてのウォーキングや挨拶の仕草まで


指導してくれた。





そういえば、今日会った方が「意外な配役!楽しみにしてます!」と。


私自身が意外に思ったくらいだが、


サー・トービーを演じる面白さ、魅力が見えてきて、


それだけに、役に近づく難しさも見えてきて…。


今は、まだ力が入りすぎて、必要以上に疲れているようだ。一日稽古するともうグッタリ!


元気いっぱいの若者たちの頑張りにも励まされ


さあ、アンサンブルのとれた軽快な舞台めざし、ラストスパート!





     (青年劇場『十二夜』は下記をご覧ください)





      http://www.seinengekijo.co.jp/frame.html