失敗が成功につながる『宝の山』と捉えられるか否かで未来は変わる | やなもとかずのり 読書100本ノック

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本を買うのは好き、でも読むのは...。先日高校生の息子に『お父さんの本たちはオブジェ』と本当のことを言われ一念発起。年内に100冊の本を読み、しかも感想をブログに書くという負荷をかけることを決意。読み終えた本は希望者にプレゼント企画付(アメーバ会員限定で抽選)

読書100本ノック 28冊目の感想
 
トヨタの失敗学
(株)OJTソリューションズ著 株式会社KADOKAWA

 

初めに著者の(株)OJTソリューションズという会社について簡単に説明します。

 

トヨタ自動車(以下、トヨタ)で働いていたベテラン技術者や現場のリーダーが

トヨタを退職しその後(株)OJTソリューションズに「トレーナー」として所属して

製造業界や様々な業種や自治体の人財育成や業務改善などのコンサルをしています。

 

本書ではその「トレーナー」といわれる人たちがトヨタ在籍中に実際に体験したことや

現在のクライアント先であったことの実例を交えながら、失敗をいかに成功に

繋げていったかが書かれています。

 

本書で書かれていることは一見簡単で当たり前のように感じますが、

実はこの簡単で当たり前のことが多くの企業でできていません。

 

特に失敗が起こった時その失敗だけに着目し、その失敗を繰り返さないように

改善しているケースは沢山あります。

しかし本書ではそれは対処療法で同じミスや失敗は必ず再発すると言います。

 

 

トヨタではミスなどが発生した場合その元となる要因を掘り下げ

『真因』にたどり着くまで深掘りします。

 

実はじーじは血圧が高く自分の体験からこの『真因』について高血圧と絡めながら

説明したいと思います。

高血圧症は成人病です。そのまま放っておくと脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。

 

医師から高血圧症と診断されると降圧剤という薬を処方されそれを飲むことで

血圧が上がることを抑えます。よって脳梗塞などの発症リスクは下がります。

 

話を仕事上のミスに戻します。

大抵の企業のミスに対しての対処は降圧剤をもらって飲むまでと同じです。

しかしトヨタではそれで終わらせず、むしろ薬で一時的に抑えるのではなく、

食事の改善、運動の推奨、喫煙や飲酒、精神的ストレスまで、

徹底して高血圧症の元となる『真因』に切り込みそこから改善していきます。

 

この方法は改善まで時間はかかりますが、結果薬を飲まなくても血圧は下がり

高血圧以外の成人病改善にも繋がります。

 

トヨタのさらに凄いところは治療(対処)法だけではなく、

ミスを隠さずオープンにする企業風土が出来上がっていることです。

そしてそのミスの内容やそこから生まれた改善方法を他の部署でも

共有できるよう横展開をしていること。

さらに自分たちと全く関係のない事故のニュースなどを見た時、

他山の石として社内で共有しそのニュースに基づき点検するという徹底ぶりです。

 

 

そしてじーじが何より一番大事だと感じたことは、ミスをした人を

『責めない』 『叱らない』 『責任を取らさない』 ことです。

 

なぜそんなことが出来るのか?

 

それはサブタイトル【トヨタの仕事は「失敗」から始まる。】から簡単に推測できます。

トヨタには失敗という概念が存在しない。その概念がトップから新人社員そして関連会社に

至るまで浸透しているからです。

 

しかしここまで来るにはトヨタも多くの失敗をしてきたと本書には書かれています。

本書に書かれている事例はまさにその失敗のオンパレード。

 

本書ではむしろ他の企業に比べるとトヨタは失敗の数は多いと断言しています。

理由は他社よりも多くのことにチャレンジし続けているから。新しいことにチャレンジすれば

失敗は付き物。その失敗を恐れたらチャレンジが止まってしまう。むしろ失敗こそが

成功につながる「宝の山」という考え方がトヨタのど真ん中にあるからです。

 

いかがですか?

 

本書を読んでいて数冊前に読んだ弱小チームが日本一になった『連覇』

という本を思い出しダブルことが多かったことに気づきました。

 

選手や働く人たちがそれぞれの力を最大限発揮できるような環境や風土を

作るため、失敗と向き合い決して諦めずに改善を積み重ねていく点。と、

その作業には時間がかかり一見遠回りに見えるが、最も理想とする姿に近ずく

 

 

ことができることを関わる皆が理解し納得し共有している点です。

 

 

トヨタや『連覇』の佼成学園高校に所属している人はそのような環境の中、自己成長を

実現していけますが、誰もがそのような環境下で仕事や部活動はできません。

でも本書に書かれていることを少しずつでも自分の身の回りから実践することは

自分の意思一つで可能です。

 

失敗を恐れずチャレンジし、失敗を成功の元として受け止める!

その努力を惜しまず続ければ5年後10年後きっとあなたの理想の環境が出来上がり、

自己成長も実現できていると思います!

 

何故って?

トヨタも佼成学園高校も最初は『出来ない・足りない』ことばかりだったから。

 

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

じーじより愛をこめて。