(和)


 


折角もらったシュークリームは


この暑さでドロドロになっていた。


弁当も・・・危ないから・・・と諦めた。





智「カップ麺、ラ王でいい?」


和「・・・ん・・・」





キッチンで智の背中から降りると





智「・・・・・」


和「・・・なに?」




智がじーっと見つめるから


着衣の乱れがないか、確認した。


動物みたいな勘が効くんだ。


仲良しの相葉くんに


負けないくらい智も・・・





智「・・・ここ、どうした?」





・・・あ。


・・・腕。


掴まれたところが赤黒くなっている。





和「ひぇっ」





足を掴まれて


智の黒い目に怒りが宿った。


切れたところ・・・


血がベッタリと着いている。





智「・・・おい・・・」


和「・・・風呂、行ってくる」


智「手当て、しないと」


和「洗ってからで、いいよ」




ひょこひょこと風呂に向かうと


智も付いてきた。


鏡に・・・


ものすごく心配そうな智が映る。





和「平気だから」


智「俺が平気じゃ、ない」





それでも、何故か。


ひとりでシャワーを浴びたかった。





なんでかな・・・




和「ひとりで洗えるから!」





昨日までふたりでシャワー浴びてたのに。


智の前で服を脱ぐのが・・・


何故か躊躇われて・・・





和「嗚呼、もうっ。


智はカップ麺用意すんだろ?


俺はひとりで平気だから!


放っておいて!!!」





服を着たまま


風呂場の中へと入って


ピシャリとドアを閉めた。





智「・・・和・・・」


和「シャワー浴びるから。


入ってくんなよ!」


智「・・・・・」





なんでこんな・・・


嫌な態度、とってるんだろ・・・


智は何も悪くないのに・・・


心配してくれているのに・・・


おんぶして


ここまで連れて帰ってきてくれたのに・・・





*ララァさんのお写真です*






(智)




入ってくんな、と言われたけれど


その場を離れられずにいた。




風呂の湯を張る音がやんで


しばらくして中から白い手が伸びて


ポイっと服をかごに入れようとしたから


その手を掴んで


俺も風呂場へと入った。





和「・・・・・」





風呂なんて


小さな頃から


何度も一緒に入ってきた。


裸なんて


ずっと・・・ずっと・・・見てきた。





なのに・・・





和「・・・っ・・・」





俺も服を脱いで


ふたりシャワーを浴びると


和の・・・足元に


鮮血が垂れた。





智「何があった?」





何をされたんだ?





和「なんでもない」


智「なんでもなくないだろ!」





この気持ちはなんだ?


どうしようもなくイライラして


腹の中から沸々と怒りがわいてくる。





和「・・・ぁ・・・」





足の傷の他に・・・


手首のあざ


それから・・・





智「ここ。なんで・・・」





胸もとに・・・


引っ掻き傷がある。


しかも乳首が・・・


俺も


故意には触れたことのない乳首が


腫れているじゃないか・・・





和「無事だったから」


智「無事じゃ、ねーだろ」


和「やられてないから!


やられる前に、逃げ出したから!」





やられるって・・・お前・・・


逃げ出したって・・・


おい・・・