(お部屋の和)






足袋も脱いで


鬘も外して


それだけでもかなりの解放感を味わった。






智さんは、変顔をしながら


オレンジやレモンを握り潰して


フレッシュジュースを搾ってくれた。






智「どうぞ」


和「わぁ♡ありがとうございます」





・・・美味し・・・///





汗をかいてしまったのを


考えなしにさっきのタオルで拭ううちに





・・・あ・・・


どうしよう・・・


タオル汚しちゃった・・・





ということは、化粧も・・・


かなり落ちてしまっているはずで・・・





和「・・・あ・・・あの・・・


タオル・・・すみません・・・💦」


智「うんうん。


トイレとか、大丈夫?


もう、脱いじゃう?」





・・・脱ぎたい。


これを脱いだら、どんなに楽だろう。






和「だけど・・・


着替えをお店に置いてきちゃってて・・」


智「俺のでよければ貸してあげるよ」


和「いいんですか?」


智「ふふ、うん」





キツく結ばれた帯を


智さんとふたりして解いていく。





智「あーれーって言う?」


和「・・・え・・・」


智「あ、いや、ふざけてごめん」


和「あーーーーれーーーーー」


智「んふふふ」





楽しい。


こんなの・・・


お母さんに、叱られる?




こんな・・・


はじめましての人の前で


肌を晒すなんて、ハシタナイ。


お行儀悪い、って・・・





智「本当に、男の子なんだ・・・」


和「はい」





そうだ。


女子じゃないんだから。


恥ずかしがることは、ない。






もう脱ぎたい欲求がハンパなくて


ぐるぐる回りながら踊っちゃいそう。





だけど。


帯が外れた時


その解放感も手伝って


お腹がぐーっと鳴ってしまった。





恥ずかし過ぎる。





いつの間にか音楽も止まってしまってて


Gallery OHNO の入り口は


既にシャッターが閉まっていたので


外から完全に遮断されていて


とても静かで・・・






ぐーきゅるきゅるきゅる


キュルキュルキュルルルル・・・





残念過ぎる・・・






智「ふふふっ。


化粧室はそこなんだけど・・・


水道、というかシャワー使いたいよね?」





和「あ、は、はい」





肩までぎっちり塗られたお白粉を


取ってしまえたら


どんなにスッとするだろう。





智「・・・え、と・・」


和「・・・・・???」





・・・え・・・なに・・・?





刺すみたいな視線が・・・


戻ってきて・・・





智「・・・描きたい・・・」


和「あ、は、はいっ」





だけどかなりの解放感を味わったから


お手洗いにも行きたくなっていた。





和「すみません。


あの・・・僕、お手洗いに・・・」


智「ああ、ごめんごめん」





こっち。


と、手を引かれた。




ドキドキしているのは


てっきり自分の方だと思っていた。


いや、確かに自分もドキドキしていた。





だけど手を繋いでみて分かった。





智さんも・・・


かなり汗ばんでいて・・・


そして・・・


僕と同じくらい




いや


もしかしたら


それ以上に


ドキドキしてる・・・って・・・///