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職務に戻って


まず一番にしたことは


半年前の海上救助についての調査だった。





上長「その件、どうやら大きな犯罪が


潜んでいるらしくて


大阪府警とも合同調査が入っているんだ」


智「そのチームにはうちから誰が?」


上長「うちからもひとりくれと言われてた。


お前、行ってくれるか?」


智「はい」





ひとりの人間を


いや、ひとりじゃない。


その、「雄一」さん本人も。


おやじさんも。


人生を狂わされただろう。





俺はどうにもその不条理を許せなくて


せめて怖がらずに


残りの人生を歩めるように


何かできることはないだろうか、と


悪事をはたらいた者には


正当な法の裁きを、と


そう思っていた。







*ララァさんのお写真です*






和を残してきた島の方角を


いつでも気にするようになっていた。


海のずっとずっと向こう・・・


どうか安全にいてくれ。





陸に近付けば


君からのLINEがいっぱい届いた。


そのひとつひとつに


いいねを押しながら・・・





「señoritaのピクルス」・・・か。




可愛い小瓶に詰められた


人参、玉ねぎ、胡瓜、大根、セロリの漬物。


色とりどりのリボンまで掛けられて


段ボールに収まっていた。




・・・そうか。




君は。


光の当たる人なんだなぁ・・・と。




不条理をものともせず


新しい土地で


新しい仲間と


人生を拓いていく逞しさに


俺はもっと心惹かれた。





大阪の刑事「よろしくお願いします」


智「よろしくお願いします」





陸の仕事の始めは。


まず大阪の小料理屋を見にいくところから。


まだ解体されていなくて


キープアウトのロープを跨いで


中へと入っていった。







続きは年明けにご案内いたします。


今年もたくさん読んでくださり


ありがとうございました♡



こちら五話完結です↓