(和)


受験の日は雪が積もった。


蓮の付き添いで国立大附属中学の体育館に


入ると、大きなストーブがあった。


蓮はプラカードの案内に従って


受験番号順に教室へ行ってしまい


静かに線形代数の論文用の証明を始めた。


女性というものはすごいなぁ。


既にあちらこちらで母親同士のグループが


できていた。


まだ合格していないのに。


競争倍率は6倍を超えている。


中高時代は子どもから大人への架け橋。


中1で入っていく時は子どもの顔だけど


高3で出て行く時には大人の顔を見せる。


もちろん、蓮には生涯の友を得て欲しい。


だけどそれは蓮本人の繋がりからが良い。


親は後ろから見守るだけでいい。


それで誰にも話し掛けられないように


ひとりで線形代数の世界に没頭していた。


試験開始から30分ほど経って


試験問題が配られた。


・・・サラサラと解いていく。


蓮なら、問題なく解けるだろう。


模範解答は出回らなかったけれど


美しい算数の問題だったから


これで合ってるはずだ。


算数なんて論理的にさえ立式できたら


どんなやり方で解いても答えは同じになる。


続いて国語、それから理科的な社会的な


総合問題が出題された。


面接やグループディスカッションもある。


お昼には、蓮にも持たせたおにぎりを


庭を見ながらひとりで食べた。


*ララァさんのお写真です*



昼にはすっかり雪もとけていた。


校庭には池もあり、睡蓮が見えた。


・・・蓮の花がきっと美しく咲く。


人間万事塞翁が馬。


後になってみないと


なにがよかったかなんて分からない。


蓮を手放さずにすむ。


自分で子育てが出来る。


蓮の中高時代を支えてやれる喜びに


すぐそばで見守れる喜びに


じわじわと満たされていた。


自分の中高には感謝だ。


先生方は全てを見通して、蓮と私たちに


一番良い選択をしてくださったのだと


そう思いたかった。


*ララァさんのお写真です*



翌日、蓮と発表を見にきた。


蓮の番号は、あった。


蓮「ぃヤッター!」


制服の採寸、靴や通学バックの案内


それらの列に並ぶ息子を大きな木の下から


誇らしく見守る。


友達、できるといいな。


定期券、買わないと。


校舎から校庭、グラウンド、プール


目に入るもの全てに


・・・蓮をお願いします・・・


そう心の中で念じて待っていた。


帰りにこちらの先生に呼び止められた。


先生「大野蓮くん。首席合格おめでとう。


入学式の新入生代表挨拶をお願いします」


・・・なんと。蓮と顔を見合わせた。


これは東京のお父さんお母さんを呼ばないと。


蓮には驚かされる。


蓮に連れて行かれる次のステージに


ワクワクしていた。




11時26分には智史さんのブログより

蓮の入学式の様子をお送りします。


12時にリブログにて今回のとうめいたん♡の

エンディング。


15時、17時、19時とBlackVenus番外編を

瑞樹さんのお医者さまと同時UPでお届けします。

21時は後書きです。


明日から♫花 の大宮さん。


どうぞ宜しくお願いします。