名古屋のカーメーカーでは

和也をいたく気に入った取引先の偉い人が

食事に誘って譲らなかった。

俺は内心イライラしながらも一緒に行き

智「明日も早いですので」

早々に切り上げてホテルに連れて帰った。

部屋に戻って独り占めしては

酒を飲ませて


🌼もえこさんの絵です💛



だんだん色っぽくなっていく和也。

俺を甘く見つめて、微笑んでくれる。

俺はもう全身でカラダごとロックオンして

じっと見つめ続けた。

俺のカラダにもアルコールがまわり

酒に酔ったのか和也に酔ったのか

気分がとても良かった。

打ち解けない和也が、俺に懐いてくれる。

用心深いお前が俺に心を開いていく。

その心に素手で触れたかった。

和也の自信の無さ、不安や戸惑いを

誰よりも感じ取ってやりたかった。

交換日記を提案してみた。

俺はラインでもなんでも良かった。

既に連絡先は知っていたけれど

毎日やり取りする口実が欲しかった。

「いいよ」って笑ってくれる。

お前は理由も聞かないで優しく・・・

それだけで胸がいっぱいだった。


満月が西に傾く頃。

眠ってしまった和也に惹き寄せられて

俺はキスをした。

あの胸の高鳴りは忘れられない。

伝えたい愛は確かにあったのに

未完結のまま

言葉も狂わして

つなぎ目も無しに夜明けのキスをした。

決して消えない思い・・・

ただ愛おしい思いを抱えて・・・

だけど許されることじゃない。

思いも伝えずにキスをするなんて。

それで俺は

思いを持て余した俺は

単身デトロイトへ飛んだんだ。