二人きりみたいで、二人きりじゃない。
クローズドなSNSにしなかったのは
自分に自信がなかったから。
大野さんに甘え過ぎるのが怖かった。
僕の書き込みは誰にでも読めるし
大野さんの書き込みも誰にでも読めた。
二人のやり取りなんて
殆ど誰にも興味を持たれるものでもなく
アクセスは一日に僅か10とか多くて20。
・・・
・・・・・
「おかえりなさい」って打ち込んで・・・
送信ボタンを躊躇った。
・・・
モーターショーには綺麗な女性も大勢いた。
真っ白なワンピースを着て
ピンク色のネイル💅に紅い唇💋。
ヒール👠履いて香水の匂いがして。
そして大野さんを甘く見つめる・・・
ちょっとだけ・・・
胸が苦しくて・・・
切なくて・・・
「おかえりなさい」を消して
僕は大野さんへって付けないで
💛📧・・・寂しい・・・
って書き込んだ。
その瞬間に、ほんの秒のことで・・・
💚📧僕でよかったら聞きますよ
はじめて、大野さん以外の人のコメントが
ついた。
僕は怖くなってすぐに自分の書き込みを消した。
トクントクン トクントクン・・・
僕・・・
何をしようとしたの・・・?
何がしたかったの・・・?
💙📧ただいま
・・・あ・・・
「おかえりなさい」って打たなきゃ・・・
ノロノロと携帯をタップしていると
💖📧おかえり
・・・え・・・?
誰?
僕の書き込みは、ほんの数秒遅れで
💛📧おかえりなさい
💚📧あひゃひゃ。ただいまー。
誰・・・?
なんだか距離ができてしまった。
東京とデトロイトの方が近かったくらい。
同じ東京の空の下
僕は大野さんへの距離を
僕の中に感じてしまった・・・
いつか秒針のあう頃 3は11時26分にUPします。