出演:間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬、高橋和也、眞島秀和、他

 

過去に幾度も映画化された島崎藤村の同名小説を60年ぶりに再び映画化。監督は「発熱天使」の前田和男。亡き父から被差別部落出身である出自を隠し通すよう言われてきた丑松は、今は小学校の教員として働いていた。生徒に慕われ、さらに下宿先の士族出身の女性・志保に恋心を抱き・・・

  


(C)全国水平社創立100周年記念映画製作委員会


🎬🎬🎬(5段階評価)

 

原作は未読だが、実に気持ちの良い作品になっていた。被差別部落出身である、というだけで、今、どんな仕事をしていようが、冷たい仕打ちを受けてしまう理不尽な社会。現実はもっと酷いものであったのだろうが、映画はその酷さを描く、というよりそこに屈さず、信念を貫く男の強さが感じられる。その真っ直ぐな生き様があれば、人はついて信じてついてきてくれるし、差別がいかに愚かな事かを実感する絆が生まれているものなのだ。原作にも一度目を通さなければ、と思う。

 

丑松を演じた間宮君は素晴しかった。もっと君はこういう映画に出るべきだよ、とすら思った。彼の友を演じた矢本君も今まで観た中では一番いい男の役だったなあ。

 

(2022 東映ビデオ) 1時間59分

 

(鑑賞:2024 1・20 ネットフリックスにて)