「少年の君」が高い評価を受けたデレク・ツァンの単独監督デビュー作。作家、アニー・ベイビーによるネット小説を脚色して描いた青春映画。インターネット小説として人気を集めていた「七月と安生」。それは幼いころから大の親友だった七月と安生の自伝的小説だった。だが、それにはある大きな出来事があり・・・

 

(2016 中国/香港) 1時間50分

 

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美しすぎる「生き方」のクライマックス

 

 という訳でデレク・ツァン二連発ですが、こちらも素晴らしかった。原作ありきとはいえデビュー作でこれだけの物作るのが凄い。


子供の頃から大の親友同士だった二人。ピュアで微笑ましいシーンがいくつも続き、「少年の君」と同じく主演のチョウ・ドンユィはそれとは違う自然体がまた魅力的に映る。マー・スーチュンもチャーミングで「七月と安生」を体現するのにピッタリなキャスティングなのだが、彼女たちも恋をしたり、社会に出たり、時が経ち、ずっとこのままではいられなくなる。


それでもまた再会したり、お互い違う生き方を選んでいく中で明らかになる事実。パズルのような過去のピースがピッタリ当てはまる時、やはり二人はどこまでも通じあい、影響を与えていたのだな、とわかる美しすぎるクライマックス。個人的にはデレク・ツァンを観るならこちらだ!と胸に響いた作品でした。


(鑑賞:2022 6・21 WOWOWオンデマンド)