ばるぼら

(2019 イオンエンターテイメント) 1時間40分

 

マンガの神様、手塚治虫の同名作を実写映画化。監督は手塚治虫の実子であり、「白痴」などの手塚眞。

 

原作もかなり問題作!と言われていたようですが、それを抜きにしても、今時の軽い映画とは違うディープな世界観は表現されていたようには思う。洋介の異常性欲の実態が明らかになっていく前半、ばるぼらと知り合った事でその世界はよりディープで狂気じみたものになっていくゾクゾク感。

 

洋介に稲垣吾郎を配置したのはスマートな見た目とその闇のギャップが上手く出ていてよかったと思いますが、ファンの方が観ると、ショックを受けそうなかなり強烈なクライマックスだ(笑)。想像以上で、この狂気を極めた感はある。だから嫌いではないんですけど、万人受けはしないよね・・(^_^;)原作もまた読んでみたくなる。

 

(鑑賞:2021 10・13 WOWOWオンデマンドにて)

 

 

 

早春

(1956 松竹) 2時間24分

 

「東京物語」の野田高梧と小津安二郎が脚本、名匠・小津安二郎が監督したドラマ。

 

池部良と淡島千景が夫婦で、彼と岸恵子が怪しい仲になる…ほのぼのした家族ドラマの多い小津安二郎監督にしては攻めた内容であるし、長尺の中で、特に刺激もなく、給料も上がらない、暗く世知辛い社会を皮肉ってもいる。

 

池部良のカッコ良さ、淡島千景の凛とした美しさは無論ですが、若き岸恵子はね~顔も小さくホントお人形のようなお美しさに惚れ惚れする。それでいてちょっと勝気なキャラを演じているのも実に可愛らしい。

 

(鑑賞:2021 10・13 CS録画にて)