7月11日の各紙は東京都の新型コロナ感染者が連日で過去最多を更新した、という記事になっています。

 

因みに、東京都の新規感染者は9日224人(過去最多を更新)10日243人(連日で過去最多を更新)、11日206人、12日206人、

と4日連続で200人を超えています。

 

この数字だけ見ますと4月よりも感染状況が悪化し、また緊急事態宣言が必要な状況になったかと思ってしまいます。

実際にYouTubeで新型コロナ関連の報道を見てみますと、丁度22日から「GO TO キャンペーン」が観光分野で先行して開始されることの批判も相まって、コメント欄が政府に対する罵詈雑言に溢れています。

https://www.youtube.com/watch?v=-FqBoTBT268

 

 

しかしながら、この「新規感染者数」に関しては4月の頃と現在では検査の状況が全く違うということに留意しなければなりません。

一番の違いは4月と今ではPCR検査の数、そして検査対象者に大きな違いがあるということです。

 

下記の方々のコメントにもあります通り検査数を増やせばそれに応じて陽性者の『発見』の数も当然増えるのです。

 

つまり世間が使用している、『新規感染者』なる言葉は正確ではなく、『感染者「発見数」』というのが正しい表現なのです。

 

 

例えば藤井聡氏は

「大事なのはあの時(4月)と同じ基準で検査したら何人かということ。今もあの時と同じ基準で検査したならば絶対100人も超えない。

あの時は37.5度が4日連続超えたら初めて(PCR)検査が受けられるといった具合で、ほとんどの人が検査を受けられなかった。」

https://www.youtube.com/watch?v=I69o4FvYYPo

と語り、当時の実際の感染者は発表数の20倍30倍はいたであろう、としています。

 

 

辛坊治郎氏はもっとハッキリと「感染者数の発表に意味はない!」と語っています。

https://youtu.be/HFPI5inL10w

(グッとラック 2020年7月8日より)

 

この動画の中で辛坊氏は、

「4月の感染者数と現在の感染者数を同じ列に並べるのは適切ではない」

「唯一現在の感染状況を知ることが出来るのは『重症者数』の推移と『死者』の推移」

「新宿で感染者が爆発的に増えているのは、無症状でも感染者には見舞金10万円を支給するという条例を可決したため、ホストクラブの人達がダっと検査に押し掛けたから」

と指摘しています。

 

※《辛坊治郎Twitterより》

東京の昨日発表の新規感染者124人の中に重症者は1人も居ません。重症者総数は順調に低減しています。この数字こそが現状の感染状況の真の姿です。

つまり、私が何度も述べているように、この数字は、薬の無い現状における不要なPCR検査の結果に過ぎないものなんですね。

それにしても何故東京都やマスコミは感染者の全員が軽症以下だという重要情報をマトモに伝えないのか?

何かの意図があるとしか思えませんよね(^.^)

 

 

 

 

重症者の推移に関しては、「都内の最新感染動向」のHPから確認出来ますが

 

「都内の最新感染動向」モニタリング項目(7)「重症患者数」

 

確かに、現在まで一貫して減り続けていることが確認できます。

 

因みに死者は7月2日に5人でたものの、それを除けば6月21日まで0人となっており

 

 

6月以降は5月に比較し明らかに死者数が減っている事が確認できます。

 

 

 

 

ならば、「もはや東京では新型コロナウイルスは終息した」といえるのでしょうか?

感染拡大を殊更に連呼するマスコミは単純に国民に無用な不安を煽っているだけと断じてもいいのでしょうか?

 

 

最初は私も、マスコミは無用に国民の不安を煽り、政府の政策にケチをつけたいだけなのだと考えていました。

 

しかし今は、

「緊急事態宣言が全面解除された5月25日以前と比較すれば状況は良い」と言って差し支えないと考えつつも、

 

「緊急事態宣言解除後、重症者こそ減少しているものの、再び感染が拡大し始めている兆候が確かに見られる」と私は考えています。

 

 

それについては「検査の陽性率」「入院患者数」からそう判断しています。

 

「新規感染者の数が増えてもそれは検査の母数自体が増えているからで、陽性率でいえば寧ろ減っている」、そうであったならば「感染者は間違いなく減っている」と断じていたところですが

 

 

陽性率は(症状が出ている人間のみを検査していた時期の)4月中旬の30%代をピークに下がり始め、緊急事態宣言が解除される直前の5月22日には0.8%まで下がりました。

 

しかしこれが7月10日の時点で5.9%にまで上昇しています。

こうなると、「感染者の数が増えているのは検査数を増やしているためだ」と言い切れなくなります。

 

PCR検査は必ずしも正しい検査結果が出るとは限らないとはいえ、ここ数か月のうちに極端に検査の精度が変化するわけでもない以上、陽性率が上昇傾向にあるということは、感染者の絶対数も増えつつあると考えるのが妥当でしょう(ただしそれは「緊急事態宣言解除後」の話であり、4月の時点を上回っているわけではない)。

 

 

入院患者の数においても然りです。

 

 

入院患者は5月中旬以降減少傾向にありましたが、6月20日の204人を底に再び増え始め現在580人。1カ月かからずに倍増しています。

 

 

因みに「感染者」「入院患者」「重症者」はどう違うのでしょう。

それには更に「軽症者」「中等症者」についても知る必要があります。

 

まず「感染者」は、PCR検査によって陽性になり医師の診察によって感染が確認された人です。

 

このうち厚生労働省・結核感染症課の担当者の説明によれば

「入院の必要がない人」が「軽傷者」となります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ed7c79007bf81fa5bd94c6e16a31b5ca055c7b4e

この人達は自宅療養か宿泊ホテルでの療養となります。

 

 

では「入院が必要な人」とはどんな人か。

医師の判断にもよりますが、ポイントとなるのは「酸素吸入器は人工呼吸器などの医療機器を使わなければならないか否か」と言われます。

「酸素吸入をしないと危ない」と判断された人は「入院が必要な人」、すなわち「入院患者」にカウントされます。

またこの人達を「中等症者」と言います。

 

よって患者が咳き込んでいたり「息が苦しい」「辛い」などの自覚症状があっても、自分で酸素が十分に取り込めている状態であれば入院の必要はなく、「軽症者」と分類されます。

私達のイメージする「軽症」とは大分異なります。

 

 

一方、高齢者や基礎疾患があって免疫力が低下している人は、診断時の症状が重くなくとも、自宅療養では危ないと判断されるケースもあります。この場合には「中等症予備軍」として入院措置が取られることもあるそうです。

 

 

そして最後に「重症者」はというと、「入院患者のうち、集中治療室(ICU)等での管理または人工呼吸器管理が必要な患者」ということになります。

 

 

つまり、「入院患者」の数が倍増しているということは、新型コロナの症状が出ている人が増えているということであって、決して辛坊氏がいうように「重症者の数が減少しているからコロナの感染者も減っている」ではないのです。

 

 

そして現在東京都は1000床の病床を確保し、これを3000床まで増やすとしていますが、入院患者数の増加がこれを上回ると「医療崩壊」が発生することになります。

 

また現在のコロナ感染の主な理由として「夜の街」が挙げられていましたが、

12日の報道では新規感染「発見」者206人のうち、「夜の街」関連は48人、「職場、家庭内、会食」などでの感染が59人、感染経路不明は101人となっており、「夜の街」関連は半数以下となっています。

 

つまり最初は「夜の街」で感染が発見されていたものが、そこから家庭に、職場に、どこか別の場所に、ウイルスが拡散されている状況が確認されたのです。

 

 

こう考えると現在の状況は確かに楽観できるような状態ではないな、と考えられます。

 

それによる対策にどのようなものがあるか、それは私にはまだ分かりませんが、

今回のブログでは、マスコミは意味があるのかどうか疑問符が付けられている「新規感染者」の数を日々追うのではなく、もっと他の注目すべきデータを用いた方が、報道内容に説得力が出るのではないか?という話でした。

 

本当は「マスコミの『印象操作』に注意!」的なものを書くはずだったのに、書いているうちに全然逆のものになってしまいました。

まあ、でも今まで自分でも分かってなかったことを認識できたことは良かったと思います。

 

 

 

 

 

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