7月6日産経新聞の一面トップから。興味深い内容です。

 

7月4日参議院選が公示されました。

日本の未来―進むべき方向性―を考え、その意志を示す重要なイベントです。

民主主義、普通選挙は人類の長い歴史の果てに辿り着いたシステムであり、民衆にとっては不断の努力の結果手にした権利でもあります。

(戦後日本の場合はGHQによってもたらされたものだ、という意見も聞こえてきそうですがここではそこには触れません。)

どうか老若男女問わず、有権者の方々はその権利を無駄にすることなく、選挙権を行使していただきたいと思います。

 

さて記事の内容から

 

政権支持 20代は7割

高齢者層よりも高く「分断」映す

 

 安倍政権の支持率に変化が起きている。日本経済新聞社による6月の世論調査で60歳以上の支持率は49%、20代は7割だった。

12~16年には差が小さかったが17年以降15ポイント以上の差が生まれた。通説では政権への支持は高齢者ほど高く若者は低い。第一次安倍政権や民主党政権でも同様だ。

権力に反発する「怒れる若者」は消えてしまったのか。

 

最後の一文はいかにも余計ですね。そこより上の内容については「へえ」と思わせる内容だったのに残念です。

 

余談ですが、毎日新聞取締役の小川一氏がこの記事を引用して「興味深い」とTwitterで呟いたらネットで叩かれました。

http://anonymous-post.mobi/archives/10417

 

「権力に反発する『怒れる若者』は消えてしまったのか。」は引用文であったにも関わらず、これが小川氏自身の考えであるかのように切り取られ、ネット民達から「若者はマスコミという権力に怒っているんですよ」「変態捏造報道の毎日新聞とかにサw」と叩かれたわけです。

本来ならばネット民が叩くべきは元記事を書いた日経新聞であるにも関わらず、相手が同じマスコミ(しかも左派の毎日)であることから、一蓮托生で叩いた形となりました。

しかしこれについては、やっていることが「発言を切り取って気に入らない相手を叩く」という、マスコミと同じことであることに注意が必要だと思います。

 

なので私はちゃんと日経新聞の記事に対して以下のように感想を書くことにしましょう。

 

はあ~!?なにいってんの?

 

はっきり言って、この「権力に反発する『怒れる若者』は消えてしまったのか。」は失笑ものの「サムさ」です。

書いた人は若かりし頃に学生運動に励んだ団塊世代のオジサマなんでしょうか?それとも書いた記者本人は若くとも団塊世代の管理職に添削でもされたのでしょうか。

 

先程紹介したサイトで書かれていた「ネットの反応」にある通りですよ。

私は20代の若者ではないですがね、怒るとしたら政府ではなく、国益を顧みず、そのくせに隣国にはやたらと甘く、目立つ人間に対し下らない言い掛かりで足を引っ張り、建設的な事は何も言えず、商売のために社会に不安を巻き散らし、毒にも薬にもならないどころか毒にしかなっていない論説を日々垂れ流し、それでいて「自分達こそが良識と見識の象徴」であるかのように振る舞っているマスコミに対してですよ。

 

感情的になったことを反省します。

 

こういっては何ですが、20代の多くは政治や権力者のことには関心はないです。いちいち「時の権力者」に怒ってなんかいません。

ただ若者には守旧を嫌い、変革を求める気質というものがあります。それと「偉そうな事を言う大人が嫌い」という特色もあります。

 

読売新聞社と早稲田大学現代政治経済研究所が2017に行った調査では「40代以下は自民党・日本維新の会を『リベラル』な政党と捉えており、共産党や公明党を『保守的』な政党だと捉えている」という興味深い(というよりも現実を見れば当然な)結果が出ています。

https://www.businessinsider.jp/post-106486

 

つまり今の若者は、憲法を改正し日本を強い国にしようとしている安倍政権こそ変革者であり、それに反対する野党・マスコミ・高齢者こそが嫌うべき守旧派と見做しているのです。

 

 

 

紙面のグラフを見てみましょう。

昭和の時代、日本は現在よりも豊かでしたし、自民党も今の安倍政権よりもイデオロギー色が弱く、急激は社会変化を嫌った守旧的な政体だった。何よりも55年体制以降日本においては自民党が政権を担うのが当たり前という意識が国民にはあった。だから高齢者からは支持された。

しかし平成不況を経て、時代に変化を求めた若者はそれに反発し、新しい日本を創る勢力の誕生を期待した。

「安倍・福田・麻生」時代以前のグラフをそういう形になっています。

 

しかし自民党政権が倒されて誕生した民主党政権は全く国益を顧みない最悪な政権であったために、若者にも見放された。

それが「民主党」時代のグラフです。

 

「日本を取り戻す」ために誕生した第二次安倍政権は若者に支持されたが、朝日新聞を読んで育ちネットを見ない60代からは嫌われている「安倍(~16年)」時代のグラフ。

 

「安倍(17年~)」では安保法案、憲法改正で野党・マスコミの反安倍姿勢は強まり、結果として50代以降の政府支持は下がっているが、若者にはそういう野党・マスコミに対する嫌悪感が強まり逆に政権支持率は上がっている。

そういう風に読めます。

 

 

 

 

…などと尤もらしく書いてきましたが、

もっと単純な理由は「カネ」です。世代ごとに「カネを持っているかどうか」が政権支持率に関係しているのです。

かつての自民党は高齢者に手厚い政策をしていたが、昨今は年金額が減ってきて、直近では少子高齢化で社会保障費が賄えないから「自助しろ」と言われた。だから高齢者の安倍政権支持率は低い。

しかし若者にとっては景気が民主党政権よりも良くなった、就職がしやすかったという実感がある。だから支持率が高い。

これが本当の所です。イデオロギーで政権を支持する人は未だに社会ではマイノリティ扱いなのです、残念ながら。

 

なんだかんだといって、国民が政権を支持するかどうかは「生活が楽かどうか」に尽きます。

(これについては私が以前書いたブログで「政治が為すべきことは『安全保障』と『社会保障』だが、どちらを優先すべきかいえば『社会保障」だ』と書いた通りです。)

保守か革新か、「日本を取り戻す」のか「国益を顧みない」かは、二の次なのです。

 

だって考えてみて下さいよ。20代の7割が政権支持というのは、普通では考え難い高さです。

上にも書きましたが、基本的に20代で政治に関心を持っている人はそんなには多くないはずです。

 

20代は少子化と団塊世代のリタイアによって「社会的需要」の高い世代です。

従って就職は楽で、かつての20代よりも年代別世帯年収が高い。生活に便利なものが既に周囲に溢れていて、「生活に『不満』がある」と答える割合も他の世代よりも低い。(ロスジェネ世代としては何とも羨ましい話…)

従って政権を批判する要素がない。

それに対し野党の言っている事は政権批判だけ。だから選ばない。

 

今回の参議院選では野党は年金を争点にしていますが、これについても20代には年金問題などピンと来ません。

というか最初から当てにしてません。

野党の主張は「高齢者の年金のために現役世代の負担を増やせ」と言っているようにしか聞こえません。聞くに値しません。

 

参考:「年金問題は若者の自民党支持を減らさない」

https://blogos.com/article/389647/

 

 

これは逆にいえば、現政権がいかに「日本を取り戻す」ことに邁進しようと、「この国を守り抜く。」決意を強めようと、

経済政策を誤って国民を貧しくすれば、立ちどころに何もかも上手く行かなくなり退陣を余儀なくされる。

ということでもあります。

 

私が気になっている事は、何といっても10月の消費税増税を自民党が公言してしまったことです。

アベノミクス「3本の矢」とは何であったが。

金融緩和(カネを刷る事)、財政政策(カネを出す事)、成長戦略(規制緩和)

でしたが、現在ではどれもちゃんとやっていません。

こんなことで増税によって景気が悪くなったらどうなるか。

 

政権支持率は落ち、憲法改正は結局失敗に終わり、あっという間に安倍政権は倒れるのではないか?

 

私はそれを心配しています。

 

ですから、今回の記事を読んで自民党支持者は「若者の多くは自民党を支持しているから安心だ」などと夢にも思ってはいけません。

これは団塊世代の大量退職に伴う、「若者の超売り手市場」が起こしている今だけの現象です。

 

気を付けなければいけません。

 

政治も結局、「カネの切れ目が縁の切れ目」なのです。

 

 

 

 

※バナーのクリックにご協力してください。


にほんブログ村


社会・経済ランキング