2週ぶりのブログ更新は地元紙の一面トップとサブの記事から。

 

トップ記事は日本の岸田外相とロシアのラブロフ外相がモスクワで会談した、というもの。

「日ロ外相、領土は平行線」タイトルを見ると会談が上手く行かなかった印象を受けますが、

もともとこの会談は 「15~16日のプーチン大統領来日に向けた閣僚レベルでの最後の調整」するためのものであり、、

「日露首脳会談で『最大限の成果が上がるよう』(岸田氏)努力を続ける」ことが目的のものなのですから

日報のタイトルの付け方は主従が逆ですね。

 

そもそも領土問題・平和条約の関する協議は、この後首脳会談で話し合われるのであり

その前フリである外相会談で溝が埋まるはずはなく、

「平行線」と言っても、その主張は双国の従来の主張を繰り返しているだけです。

 

そう考えると日報の見出しはいささか「キャッチ―」に過ぎる、

というか印象操作の類のものに感じます。

 

北方領土問題がどう動くのか、

平和条約は締結されるのか、

それはあくまでこの後の安倍首相とプーチン大統領の話合いの結果を見守るよりないと思います。

 

日本にとっては、ロシアとの関係を良好のものと出来るかどうかは

「パックスアメリカーナ(アメリカの傘の下の平和)」終了後の日本の世界戦略にとって

大きな位置を占めることになるでしょうから、

その首脳会談の結果には注目したいところです。

時代の変化が世界情勢に大きな変革を求めている、そう言う事であろうと私は考えています。

 

 

続いて「トランプ・蔡氏電話会談」という記事。

これも要注目ですね。

 

トランプ氏は2日、台湾の蔡英文総統と電話会談し「緊密な結びつき」を確認したと発表した、とあります。

これだけ読むと「へえ」と思うだけでしょうが

米大統領や次期大統領が、台湾総統と直接会話したことが明らかになったのは

米国が台湾と断交した1979年以来初めて、と知ると

これまた世界史に記される大きな出来事であったことが分かります。

 

これには前提として世界史を知る必要がありますが

1970年代に入るまで、国際社会において「中国」とは台湾の「中華民国政府」のことでした。

中華民国(以下、「民国」)とは、1912年に孫文が作った国で、第二次世界大戦では蒋介石が連合国の一員として日本と戦っていました。

 

しかし戦後、蒋介石は大陸で、毛沢東率いる「中国共産党」との内乱に敗れ

1949年、台湾に逃れることになります(毛沢東は北京で中華人民共和国を樹立)。

 

国連(国際連合)とは、第二次大戦の「連合国」を日本が呼び方を変えただけの存在ですから

最初は蒋介石が中国の正統政府として国連に代表を送っていたのですが

その国連は1971年に中華人民共和国(以下、「中共」)の方を中国の正統政府と認定し、民国政府を追放。

遅れること1979年には米国まで、民国と断交し、中共と国交を結びます。

(但し軍事的にはそれ以後も米国は台湾を「反共」の防波堤として支援し続けている)

 

以後、台湾の民国政府はその存在を国際社会から否定され、中共領内の一つの島として世界地図に記載されることになったのです。

 

それが今回、変化が生じたのですから凄い事です。

 

面白くないのが大陸の中共です。

ただでさえ、台湾の蔡政権は中共の言う「一つの中国」を否定しているのに

そこに米国まで台湾を国家として認めるような動きをされたら

中共としては面目丸つぶれです。

何らかの外交的報復を米国や台湾に行ってくるでしょう。

 

しかし、日本にとってこの状況は望ましいことです。

日本にしてみれば台湾が中共に飲み込まれることがあっては極めて危険、

台湾が中共と対立し、その背後に米国が付いてくれた方が嬉しいのです。

 

まあ、今回の事はトランプ氏が米中の歴史的事情をよく知らなかっただけだったのかもしれませんが(日米安保のことも詳しくないみたいだし)

今後の展開には必見です。

 

しかし、本当に世界がまるで地球儀のように

グルグルと動いているかのような印象を受けます。