10月2日は日経新聞の一面トップから。

なんだまた外国人労働者か!?政府と日経新聞は「外国人労働者」を流行語大賞にでもしたいのか。

と思った一面の見出しです。

頻繁に使用する事で国民に慣れさせよう、という考えがあるのかとさえ思わされます。

 

しかも、

何気なく「農業『でも』」とか「地方に『活力』」とかの文字を大きく使用する事で

「外国人労働者=移民の受け入れ」と、それが「日本の活力となる」ことを前提に話を書いているところに、巧みな印象操作を感じます。

 

さて紙面によると、

「政府は国家戦略特区を活用して、農業分野でも外国人労働者を受け入れを解禁する検討に入った。」

とあります。日経新聞の勇み足でないのなら、

政府は「外国人労働者受け入れ=移民政策」に積極的ということになりますね。

何度か書いている通り、私は移民政策には反対ですから残念に思います。

 

因みに農業の国家戦略特区って新潟市のことですから、

まさにこの話題は『新潟市の話』ということになります。

 

皮肉なことですが、まず新潟市が移民政策の実験体となれということですね。

 

 

 

確かに、日本の農業従事者の全産業従事者に占める割合  1.1%(!)

平均年齢  65.8歳(!)

 

は尋常ではない数値です。というか絶望感さえ感じる数値です。

正直、「このままでは日本から農業はなくなる」と、将来を悲観し

「この際、外国人でもいいから若くて元気なヒトに農業をやってもらいたい。それが老人ばかりの農村に元気をもたらすんだ」

と考えるのも無理からぬことです。

 

記事を読むと

「一定の実務経験を持つ専門分野に限って受け入れ、日本人と同等以上の賃金を支払うといった条件を課す」

と書かれていますので、移民政策で心配される様な「安価な労働力が流入して日本人の雇用を奪う」ということにはならないかもしれません。

 

ついでに言うなら、日本語を学び、日本文化を尊重し、日本と言う国家に忠誠を尽くす、という

「日本以外の国であるなら当たり前のように課すであろう」条件も加えるべきかと思いますが。

 

つまり、出自は違えど本当に日本人となって、日本の農業のために力を尽くしてくれるヒトであるならば、私達としても拒否すべき理由はないのかもしれません。

 

雇用形態としては

地元の農業協同組合(JA)などが受け入れ窓口となって、農業生産法人や農家に派遣されるということです。

農業経験アリの外国人派遣社員というイメージでしょうか。

確かに手っ取り早くはありそうです。

 

しかし私の思いを言うのであれば、やはり日本人は

移民も、食の生産も、「安全保障の問題」なのだという意識が足りないのでは、と思います。

 

農業従事者が足りない、地方に活力がないからと

移民を受け入れていたならば、将来的には地方の農村部で移民に占拠される場所が出てくるかもしれませんよ。

そう考えるのは、私が悲観主義者で差別主義者だからなのでしょうか?

 

 

94.「日本は食料においても安全保障が確立してるとは言い難いーG7新潟農相会合、についてー」(2016.4.24 新潟日報 朝刊より)

http://ameblo.jp/kazunari-itoh/entry-12153676317.html

 

でも書きましたが、

食の生産は国家の安全保障の問題です。

国民を飢えさせる国家に将来はありません。


これを自国で賄えない、(人手を含めて)自給自足出来ない国は潜在的に滅亡の危険を抱えていると、私は考えています。

 

食糧がなければ外国から買えばいい。

人手が足りなければ移民を受け入れればいい。

それは「危なっかしい」ことじゃないですか?

外国から来るのは安全なモノやヒトばかりではないはずです。

 

古今東西、「食糧の確保」・「生産の管理」 は国家の最重要「政治」であったはずなのに

おかしなもので、ある時から日本の農業は個人任せになってしまっている感があります。

 

若い人手が確保できないのであるならば、

農林水産省の食料産業局か生産局に農業従事のための新しい課を新設して、

若い職員を農村に赴任させ農業を覚えさせた方が、よほど将来の日本のためになるのではないでしょうか?

(やりたがる人は少ないでしょうが、もはや農業は極めて立派な公務です。国のために働いてこそ公務員です。)

 

 

最後に、「食糧安全保障」については、こちらのブログを参考にさせてもらいました。
http://d.hatena.ne.jp/ddzggcd/20120226

―フランス・イタリア・スイスに至っては、農家はもはや自営業というよりも国家公務員と言った方がいいような状態―

という部分は非常に考えさせられます。

 

農業の事は私も全く分かりませんので

詳しい人がいましたら、是非ご意見聞かせてください。