疲れている時とか、
駅南のメディアパワーでマンガをレンタルして帰るのが私の趣味です。


この『黄昏乙女×アムネジア』は本当に偶然、
目について気になったものをたまたま借りてきたものでした。

が、
これがまた私の琴線に滅茶苦茶触れました。
この偶然に感謝感激です。

ぶっちゃけあんまり好きになり過ぎて、読み終えてから暫くは現実に帰って来れないぐらいでした(ちょっと大袈裟か、ちゃんと現実と向き合って働いてましたよ)。

タイトルの「アムネジア」とは、記憶喪失を意味する言葉で
本作のヒロインとなる「夕子さん」は幽霊でありながら
自身の死の理由や、どんな「怨み」や「未練」があってこの世に留まっているかを忘れてしまっています。



 

 


そしてどういう訳か、夕子さんは主人公である新谷貞一君にだけは
(正確には、もう一人夕子さんの血縁にあたる少女も夕子さんを知覚できるが)
見えたり、話せたり、触れたりでき
二人(?)は学校にまつわる怪談「七不思議」の謎を紐解きながら、
夕子さんの死の真相について調べていくことになります。






このマンガの素晴らしい所は
夕子さんの心理描写がもの凄く緻密に描かれていること
夕子さんはこの世界で唯一自分と触れ合える貞一君に対し
精神的に凄く依存しているのですが
反面で
自分が幽霊であり学校の旧校舎に囚われた存在であること
現状自分は貞一君に憑りつく悪霊に過ぎないこと
自身の記憶を取り戻せばこの世に留まる意味を失い、消滅してしまうこと
をひどく気にします。




貞一君は
夕子さんの過剰ともいえるスキンシップぶりに
困惑しつつも、夕子さんのことが大好きになってしまうんですね。
このあたりがちょっと切ないです。




ストーリーの後半、
夕子さんの死の真相に迫る  「影の記憶」  編で
圧倒的な画力 かつ 嘆美な世界観 で勧められるストーリーは
本当はホラーのはずなのに
た だ た だ 美 し く


 


 















 




 



 

 




その後の、またもや信じ難い程に美しいエピローグ







破壊力抜群のラスト一コマのセリフなど

もはや 骨抜き 状態にされてしまいました…


…これは貞一君でなくても憑りつかれるわ


レンタルで読み終えたのに
買い揃えたくなる作品でした。