9月3日の朝刊各紙は、
2日に行われた日ロ首脳会談について報じています。

画面読売新聞では、
この後も11月にペルーで、
12月にはプーチン氏が来日し、総理の地元山口県でに首脳会談を行うことで合意した
と、あります。

日露首脳会談は4カ月前の5月にも行われており
(これについては今年5月8日
96.「外交は『理』よりも『利』で動くべきー日露首脳 北方領土『新アプローチ』、について-」
http://ameblo.jp/kazunari-itoh/entry-12158042135.html
参照。)
「北方領土問題の解決」と「平和条約締結」に向けて
事は大きく動いているのだなと感じさせられます。

―何といっても
5月8日の地元紙新潟日報の一面トップは
 『北方領土 現首脳で解決』でしたからね。―

今日のブログも、概ねのこの時に書いた内容の繰り返しになります。
 

日本とロシアとの間に平和条約が結ばれた場合、
(ロシアの前身であるソ連は1951年「サンフランシスコ講和条約」に不参加のため)
ロシアとは1905年のポーツマス条約以来、
実に 111年ぶりに正式な国際条約が結ばれる という歴史的出来事となります。
(最近、本当にこういうフレーズ多い)

これは現在の東アジア情勢と国際政治に少なからぬ影響を与えることとなるでしょう。


この話題のキモとなる 
北方領土問題を解決する「新しいアプローチ」なるものが具体的に一体何なのか?
というのが非常に気になるところですが、

評論家で7月の参議選で当選した 青山繁晴氏 は
2014年2月に

「安倍総理は北方領土が日本に『帰属』することをロシアに認めさせ
実際は返還が行われなくとも、日露平和条約を締結しようとしている」
と語っています。
https://www.youtube.com/watch?v=a5PWJuVhHtkhttps://www.youtube.com/watch?v=a5PWJuVhHtk


確かにロシアの
日本敗戦間際に中立条約を裏切らって参戦してきて、
日本の敗戦後に北方領土を強奪
その後の開き直った態度は
日本にとっては噴飯ものです。
日本からすれば、力づくで奪還し、二度と奪われぬよう警備したい所です。

ですが
非常に残念な話ですが、現実的に考えて北方四島の一括返還は
「 夢 物 語 」
です。少なくともここ数年で実現できる見込みはありません。
 

しかし、北方領土が日本に帰属することをロシアが認めてくれるのであれば
例え今は返還されずとも、将来に向かって返還を求め続けることが出来ます。
何といってもロシアが北方領土が日本に属すると認めるんですから。

また平和条約が締結されれば
1956年の日ソ共同宣言に従い色丹、歯舞の二島は「引き渡される」ことになります。
 

ロシア側から見ても、
クリミア半島編入によってG8を追放され、
国際社会からの孤立脱却を図るためには
日本かチャイナのいずれかと結ぶ必要があります。

前述の青山氏の動画で注目すべき個所は

チャイナも日露接近を非常に警戒し、ロシアと接近しようとしていること。
しかしプーチン氏がチャイナに脅威と不信を感じ、
交渉相手に日本を選んでいるという部分です。

チャイナとすれば日露が接近すれば、
それだけで中露対立とまではいかぬまでも
東シナ海、南シナ海での戦略を大きく見直さざるを得なくなるでしょう。


国際政治は水物であり
「敵の敵は味方」というのも、外交の基本であります。
日露の利害は一致しており
損得でいうなら、絶対に日本はここでロシアと結んでおくべきです。

因みに
「日露平和条約締結」に反対すると予想される勢力は
言うまでもなくチャイナの息がかかった反政府左翼、
そしてあくまで北方領土一括返還を求める偏狭な右翼です。

特に偏狭な右翼は、
自らの意識とは裏腹に徹底して左翼に利用されることになるでしょう。



以前も書いたことですが、
安倍政権以前の日本では、アメリカを飛び越え、日本が独自外交を展開することなど許されることではありませんでした。

特にロシアと通じるなど絶対にアメリカが許さなかったことです。


国内では安倍政権といえばアベノミクスばかりが取り沙汰されていますが
後年、この政権を見直すときには
必ずやその外交政策が評価されることになる
と、私は考えています。