今朝は全紙が一面トップで熊本地震「本震」についての報道でした。

因みにいつもなら16日(土)の新聞でブログを書くところですが、16日は新聞が配達されている段階で既に「本震」が発生しており、紙面とは状況が一変していたことから今日(17日)にブログを更新することにしました。

―16日午前1時25分頃、熊本県熊本地方を震源とする地震があり、同県南阿蘇村や熊本市などで震度6強を観測した。
地震の規模を示すマグネチュードは7.3と推定され、1995年の阪神大震災と同規模。
その後も震度6クラスの地震が断続的に発生し、毎日新聞の集計によると32人が死亡。14日の地震で9人が亡くなっており、死者は41人に増えた。
気象庁は14日午後9時26分に発生した最大震度7(M6.5)の地震と、その後の一連の地震が「前震」で、今回の地震が「本震と考えられる」との見方を示した。

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また震災なのか!?
つい先月東日本大震災の5年式典があり、当時の記憶も消えないうちに
もう次の大地震が起こるのか!?何故にかくもこの日本と言う国は地震による災害が後を絶たないのか。
全くそれ以外に思い浮かぶ言葉がないです。

まさにこの熊本地震、
「今までにない」震災となりました。
14日夜のM6.5の「前震」に続いて、16日未明にM7.3の「本震」が起きたわけですが
過去の内陸型の地震ではM6.5級の前震の後、さらに大きな本震に見舞われた前例はありません。
だからこそ誰しもが14日の地震こそが熊本地震の「本震」と考え、その後多くの「余震」こそあれど、まさかそれ以上の規模の地震が再び同じ地を襲うことになるとは想定出来ませんでした。
それが未明に発生したことが多数の生き埋め被害を生むことになりました。

気象庁の青木元・地震津波監視課長は16日午前の記者会見で
「14日の地震がその段階で『前震』であると考えられなかったのか」という質問に
「大きな地震が発生して、その場で更に大きな地震が発生すると予測するのは地震学上も難しい」と釈明し、
『前震』『本震』の判断は後になって分かる、いわば後付けの「結果論」に過ぎない事を述べました。
これは裏を返せば、現状余震が続く中で
この後も更に大きい「本震」が発生する可能性も否定出来ない、ということになります。

また、
「本震」の後に熊本地方、阿蘇地方、大分県中部地方の3か所・3つの断層を震源とする震度5~6強の地震が「連鎖的に」発生したことも注目しなくてはなりません。


地震は14日から集中していた「日奈久断層帯」から、北側で隣接する「布田川断層帯」へ拡大し、大分県の地震は「別府-万年山断層帯」で発生したと考えられています。
これらの断層は「別府―島原地溝帯」という活断層のライン上にあり、複数の断層帯同士が刺激し合い連動して、この「同時多発地震」を引き起こしたと考えられています。
やはりこれも
「阿蘇や大分に拡大するとの想定はなかった」(気象庁橋本徹夫・地震予知情報課長)
事態でした。

一つの大地震が複数の活断層の活動によって他地方への伝播し、日本列島に壊滅的な被害をもたらす。
という話は幸いこれまでの日本では前例のないことではありましたが
小説、漫画、フィクションの世界では全く想定されていない話でもありませんでした。
(というか定番ですらあります)
今回の熊本地震は奇しくもその初めてのケースということになったのです。

であるならば、今後起こりる事態として想定しなければならないのは
この地震の連鎖が四国・本州へと連なる「中央構造線」へと伝播すること、になります。
一応専門家の意見では「その可能性は低い」ということですが
そもそも「今まででは考えられなかった」事が今現在起きている事を忘れてはいけません。
もはや何が起きても不思議とはいえないのです。


これは私が今回報道で初めて知った事実なのですが
戦後の気象庁が観測を開始して以来、日本で震度7以上の大地震は今回含め4度あったそうです。
一度目は1995年の阪神淡路大震災。2度目は2004年の新潟県中越地震。
3度目は記憶に新しい2011年の東日本大震災。
そして今度の熊本地震です。
これらを見て、規則性を感じ取る事が出来るでしょうか。

戦後、日本で震度7以上の地震が21年前に観測されて以来、
以後9年後、7年後、5年後と間隔が狭くなりつつ地方を襲っているのです。
ならばこの先に待っているのが南海トラフ大地震、首都直下型地震、
そう考えるのは少しオカルトかかった考えなのでしょうか。

ともかく、今の日本では
もはやいつ、どのタイミングで、どこが大震災に見舞われようと
全く不思議ではないのです。
今後今まで以上に政府・各地方自治体は震災に備えた行政が必要不可欠となることでしょう。

最後に
日本は過去あまたの災害の中、国際的に見ても驚異的なまでの自制心と忍耐力と団結力によって幾度も復興を成し遂げてきました。それは間違いなく日本人ならではの美徳であると思います。
今回の地震で、Twitterで悪質なデマが流されたり、野党の対応に批判が出たりしましたが
そう言う方達には日本人のとしての美徳を忘れてほしくはないなと思うのです。